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それで、難聴者協会も大いに協力しているところです。が、しかし、難聴者協会としては聴覚障害者差別法令の撤廃も大切ではありますが、「国会に補聴の法制度化を求める請願」を出す方がより大切と考えております。そういうわけで、徳島県中途失聴難聴者協会としては4月の選挙が終われば「補聴の法制度化をもとめる請願」に全力をあげて取り組みたいと願っています。全国の難聴者協会の皆さんも、共に、日本の難聴者の補聴環境の整備改善とリハビリテーションの推進のための「補聴の法制度化」に取り組んで欲しいです。「補聴の法制度化」を理解していただき、ぜひ、各県の難聴者協会でも国会への請願を出していただきたい。徳島では県主催の催しでは、希望すれば、全てに磁気ループが敷設されます。ツアー用の高性能の磁気ループを全てのイベントに敷設することは、やろうと思えば簡単なことだと思います。みなさんは、補聴システムを入れるのは難しいと考えておられるようですが、本気でやればそんなに難しいとは思えません。資料集にも書いたことですが、これまで、ほとんど補聴援助システムを拡げる努力をして来なかったものですから、急に拡げようとしても無理です。聞こえの芳しくない補聴援助システムを作ってしまっては、損するのは私達自身です。補聴環境を整備していくためには手順と戦略が必要だと思います。補聴援助システムの普及にも必要です。一番大切なことは、補聴システムを広めるのはそんなに難しくないと考えることだと思います。その上で

(1)期限と数値を限定した目標を決める。はじめから、すべての公共敷設すべての部屋にというのは無理だし必要もないので、期限と数値を限定した目標を決めるのがよい。高齢社化会なので急ぐ必要があるからです。

(2)ホールなどでは、必ずしもはじめから全面でなくてもよい。一定の席だけの敷設でも宜しい。だとすれば30万円以内でも出来ますよ。このようなイベントでは、絶対に全面に敷設すべきと思いますが、戦略として、日本全国に早急にシステムを広げようとするなら、部分的に敷設するのなら非常に安く作れるし、一部の席でも構わないと思います。聞こえのよいシステムも作りやすいからです。大きなのは設置にやはりいろいろと問題があるので、20〜200人分位でも宜しいのではないかと思います。お金もかからないし、簡単です。

(3)難聴者協会、聴覚障害者情報提供施設は、一定の機材を揃えるべしと考えています。受益者である難聴者協会などが、一定の力を持たなければそこの県ではあまり良い補聴援助システムを持つのは難しいと思います。基礎的な機材を持ち、日常的に使いこなし、慣れ親しんでないとPAについてもALDSについても業者や行政まかせになってしまい、難聴者のための福祉の町づくりなんて無理です。

(4)ホールなどに設置する場合のシステムの第一の選択は、磁気ループだと考えます。これは非常に書きにくかったんですが書きました。ある方が15年前に、将来的にはFMや赤外線だろうと言われました。。立入先生の本にも、FMや赤外線だと書いてある。だから言いにくい面もあるのですが、磁気ループはこれまではあまり良くなかったんです。しかし、皆さんのほとんどは、大きなホールの舞台裏を見たことがないと思いますが、ミキサーや大出力のアンプなどがずらりと並んでいます。一般の方々の拡声のためには、相当な方とエネルギーが投入されています。磁気ループもよい音を出そうと思えば、それなりに出せると考えます。ループの特徴として、レシーバを必要としない。赤外線はライン入力かヘッドホンでなければループに戻しての使用になるのです。ループは電話機でも使われていますし、高齢化社会ですからループに慣れることは大切と考えます。メインとしてループを選択するとしても、ループを補うものとしてのFMや赤外線も絶対に欠かせません。ホールなどには必ずループとFMか、ループと赤外線かを入れるべきと思います。

 

 

 

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