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マルチマイクシステムとして最近使っているものをお見せします。赤外線のマイクで話し手の声を飛ばしミキサーで音を合わせ、補聴器のダイレクトインプットシステムを用いて直接入力する方法です。

FM補聴器をベースにしたFMマルチマイクシステムもあります。会議用システムとして、10人ぐらいの会議でも使われはじめてます。話し手が多くて聞き手が多い場合は、いままでの応用で対処します。

お年寄りから聞こえについての相談を受ける経験からの話です。「聞きたい声は何ですか」と質問しますと、男の人からはTV、電話、奥さんの声と言う順で要望を伺えます。女性は主人、電話、TVとこの順位が逆転します。具体的には以下のような方法があります。まずTVのどこに差し込めば音がとれるかということがなかなか難しい。TVのイヤホンの穴から入れると周りの人が音が聞こえないということになります。でもそう言うのは解決する方法があります。またFMシステムのように、テレビ鑑賞用のシステムというのがあります。カタログに会議でとかカルチャースクールでとか書いてありますが、補聴器の説明書に、FMやALDについてふれてあるものも増えてきました。先日発売になったソニーのTEB75Nという補聴器の説明書をみると赤外線で飛ばすとTVの音が聞きやすくなると書いてあります。最近になってようやくです。テレビの場合は、字幕放送、字幕映像も、ALDに分類されます。

次は電話コミュニケーションです。テレコミュニケーションには音増幅、磁気増幅など、画像送受信など様々のものがあります。音ですが、電話の受話器専用アンプ、これですが、日本では売ってません。個人輸入しないとなりません。難聴者用の電話もあります。電話を使う時は普通一つの耳ですが、2つの耳で聞くことができるものもあります。このシステムは日本で使われているものです。感覚代行機器ということで、振動呼び出し、視覚呼び出し、動物呼び出し?さまざまなものができています。ある介護福祉士の女性からある相談を受けました。ナースコールが聞こえたらお年寄りのおむつを換えなければならない。ところがこのナースコールの音が聞こえない。そこで仕事を辞めようかと相談された時に作ったのがこれです。電波を受けるとブルブルと振動する機械を作りました。そうしますと、いままではコールを聞き漏らさないように動くことが出来なかったのに、仮眠ができるようになり精神的にすごく楽になった。仕事を辞めずに済んだというケースも。こういう機器が沢山あるにもかかわらずほとんど知られていません。これを知れ渡り、使われるという風な循環に変えて行く必要がある。

これはアメリカの商品カタログです。今日カタログを受付におきました。欲しい人がおられたら取っていってください。無料です。

まとめです。設備されていることを知らない。設備されていても不満がある、理解が乏しいという現状がある。例えば「ALDがある」というALDの統一マークを作ったらどうでしょうか?磁気誘導など、どういうサービスがあるかすぐにわかるシンボルマークを提案したいと思います。またALDが継続使用されるためには専門知識をもった人、メンテナンスが不可欠です。設備への理解が乏しく設備されていても元電源がおちていたりすることがあります。ALDコーディネーターが巡回指導して設備の保守や、補聴器の啓発講習会を実施するなどの対策が望まれます。コーディネータは必要に応じてALDシステムを構築することも仕事として考えられるかと思います。

 

 

 

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