調音系の部分では、ミキサー(複数の音を調音する機器)を使って複数の音をミックスし、また複数の系統に分けて出力します。また、突然の大きな音を抑えるコンプレッサーやハウリングを押さえるハウリングサプレッサー、音質を変化させるイコライザーなど音を加工するためのさまざまな機器があります。
出力系の部分では、音を増幅するためのアンプや音の最終出口としてのスピーカー、赤外線送信機、ループアンテナなどがあります。
4. 代表的な機器の役割
1)マイクロフォン
マイクロフォンは音を電気信号に変換する装置です。人で言えば耳の部分に相当します。
マイクロフォンは音の変換方式によって、ダイナミック型とコンデンサー型に大別でき、指向特性によって、無指向性、双指向性、単一指向性、超指向性に分類されます。
2)ミキサー
ミキサーの主な役割は、多数のマイクや音響機器の入力レベルや音質を調整し、混合して数個のグループにまとめて送り出すことです。ミキサーを使うことによって大きい音や小さい音などさまざまな音をまとめたり、複数のマイクや音響機器を同時に使えたり整えたりすることができます。
3)コンプレッサー/リミッター
コンプレッサー/リミッターは小さい音を大きくしたり、大きい音を小さくしたり、音の大きさを制限する機器です。マイクの音などが大きくなったり小さくなったりして聞きづらい時などに使用します。この機器をうまく利用することで不用意に入力される過大レベルの音を一定のレベルに整えて、聞きやすいレベルまで瞬時に下げたりします。
このコンプレッサー/リミッター機能は、録音可能なラジオカセットや電話機や補聴器など私達の周りの多くの機器にも組み込まれています。
4)イコライザー
イコライザーは音の周波数の任意の高さの音を大きくしたり小さくしたり調整する機器です。トーンコントロールや音質調整といった表現で私達の身の回りの機器にも組み込まれています。この機能を使うことによって自分の好みの音に調整したり、聞き取りやすい音に調整したりします。
5)アンプ(パワーアンプ)
パワーアンプはスピーカーを鳴らすために必要不可欠な機器です。ミキサーや他の音響機器などから出力された音声信号は非常にレベルが小さく、そのままではスピーカーを鳴らすだけのパワーがありません。その為にパワーアンプを使ってスピーカーを鳴らすことができる程度に音声信号レベルを増幅します。
スピーカーと言ってもイヤフォン程度から野外ロックコンサートで使用するような大きなスピーカーまでありますので、どの程度増幅するかはスピーカーの大きさによって大きく違います。
6)スピーカー
マイクによって音が電気信号に変換され、様々な機器を通過した後に最終的にスピーカーなどによって電気信号は音に再生されます。
スピーカーは音響機器の中で最も音質を左右する機器であり、その為に多くの種類があり使用する目的と規模によって様々な組み合わせがあります。