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によって、T, Cレベルを推測することも出来ます。子どもの応答に頼らないので、子どもが集中を欠いても測定を続けられ、きちんと検査に応じられなかったといって子どもが怒られたり、親がイライラすることもありません。

<初回T, Cレベル測定>

当科では、初回のマッピング時には、子どもと遊び込んだ測定者の他に、両親はもとよりその子と関係の深い祖父母や先生等にも同席を求め、皆で見守りながら測定を進めていきます。また、電気刺激に対する反応の仕方は子どもによって異なり、測定場面での観察だけでは細かい反応を見落とすことがあるので、測定場面をビデオ記録し、後でこれを見直して反応の再評価を行う方法が有用です。

幼小児のTレベルの反応は、Cレベルのそれに比べて目立たないため評価が難しいのですが、「測定者や親の顔を見る」「身体をピタッと動かす」「測定機を見る」「目つきが変わる」などの変化がTレベルの反応として参考になります(表2)。

 

表2 初回T/Cレベル測定時の反応

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※初回T/Cレベル測定で、刺激の増大により惹起されたと判定した行動や表情の変化Cレベルに比べ、Tレベルの反応はわかりにくい

 

Cレベルの反応としては「顔をしかめたり、険しい顔になる」「落ちつきが無くなる」は全例で見られ、「親に抱っこを求めたり、親の手を取る」など身体接触を求める行動(図2a)の他に、「自分の耳に触ったり、頬を押さえる」(図2b)という反応も見られます。これらのT〜Cレベルの反応は、必ずしも順次、段階を経て見られるとは限らず、刺激の上昇に伴って不意に見られる場合があるので注意が必要です。 Cowanは、2歳〜4歳の幼児のCレベルの測定では、刺激を上げて不快レベルを調べ、マップ作成の際にそれより低い値をCレベルとする方法を紹介しており、測定刺激の上昇過程で微妙な行動の変化が観察されると述べています。

 

図2

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