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な情報に対する理解や承認に支障を来たします。その結果、医療や介護を提供する側と高齢者との相互の信頼関係樹立までに時間がかかり、双方ともストレスがたまって誤解を生じたりする事があり、ひいては疾病の増悪を招く可能性すらあります。介護の現場では、多くの場合高齢者の聴力低下によるコミュニケーション障害があっても、医療や看護を提供する場面で支障を来さなければ問題解決に積極的に着手しません。仮に支障を来たしても、彼らは自分たちが高齢者と対応する場面で最低のコミュニケーションが可能になるような補聴システム(例えば市場に出回っている集音器等)があればそれで解決すると思い勝ちです。
2000年4月に実施が予定されている介護保険制度に間に合うように、準備が進められている介護用の補聴器もこのように医療や介護を提供する側の論理にたった補聴器であれば問題です。高齢者のQOL(生活の質)を重視する理論からすれば、医療や看護の場面だけではなく、高齢者の全ての生活場面において役に立つ補聴器をフィッティングすることが大切です。難聴高齢者の補聴器フィッティングには耳鼻咽喉科受診が大切です。難聴高齢者の補聴器フィッティングには耳鼻咽喉科受診が大切と述べてきましたが、介護を受けている高齢者の多くは耳鼻咽喉科を受診する事が困難です。彼らに適切な補聴器を提供するシステムの構築が必要です。本院では往診用の聴力測定器と補聴器適合器を揃えて寝たきりの難聴高齢者の往診をしていますが、補聴器のフィッティングのために往診に応じる耳鼻咽喉科医はまだほとんどないと思います。超高齢社会を迎えた今日、要介護難聴高齢者のコミュニケーションを豊かにするための補聴援助システム構築の必要性に対する社会の認識を高めることが今後の重要な課題だと思います。

 

 

 

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