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図14 人工中耳の作動原理

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6. 今後の開発課題

 

最近のコンピュータ技術に代表されるデジタル技術の進歩は、補聴器にも急激な変化をもたらしてきています。特に、デジタル補聴器の登場には、目を見張るものがあります。これからの補聴器は、1)形状:CICのような小型化、2)音声処理技術:雑音下での目的音声の取り出し(定常的な雑音は、次の変動を予測してキャンセルしてしまう、あるいは指向性をもたせることで周辺部の雑音を抑制するなど)、子音部分の強調、一定のラウドネスレベルの確保、3)最重度への対応(ハウリングの防止を含む)4)種々の入出力端子をそなえている:補聴援助システムの幅広い利用の可能性の拡大5)人にやさしい補聴器とシステム:老人性難聴への対応6)使用場面に応じた特性の自動切り替え7)簡便でわかりやすい調整システムなどが可能になってくるものと思われます。

いずれにせよ、従来あきらめていた聴覚の世界が一段と拡大され、より豊かな音の世界が開けてきているといえましょう。

 

文献

1. 大沼直紀(1997):教師と親のための補聴器活用ガイド、コレール社

2. 小川 仁・谷 俊治・出口利定 編集(1991):聴覚障害児の診断と指導、学苑社

3. Frederick S. Berg(1987):FACILITATING CLASSROOM LISTENING, Taylor.

4. 小寺一興他(1996):補聴器の選択と評価、メジカルビュー社

5. 補聴研究会(1995):補聴研究会資料「補聴器」、日本聴覚医学会補聴研究会

6. インテグレーション研究会(1993):難聴児の理解と指導II、インテグレーション研究会

7. JOHNS編集委員会(1995):JOHNS」1995.Vol.11.No4

8. JOHNS編集委員会「JOHNS」1995.Vol.11.No9

9. 徳島県立聾学校編 高橋信雄監修(1992):昔遊びの聴覚学習、学苑社

 

 

 

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