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さて、それでは、こうした補聴器の役割は何でしょうか?補聴器の役割と考えられることをあげてみますと、図5のように音のトライアングルができあがります。私たちは、こうした音のトライアングルの中で、日々を過ごしているのです。しかし、何といっても、補聴器の最大の役割は、話しことばをきくことです。その場合、補聴器は、他人の声だけでなく、自分の声もきく(フードバック)ことができるのです。その結果、補聴器がうまく調整できている場合には、自分の声の明瞭さが向上していくと考えられます。

 

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図5 補聴器の役割からみた音のトライアングル

 

2. 補聴器の適応と限界

 

補聴器はどのような聴力の人に適応できるのでしょうか?基本的には、30dB以上の聴力の損失がある方で、補聴器使用のデメリットよりもメリットのほうが大きい時には、補聴器の適応があるといえます。いいかえれば、音の増幅によりききやすくなる方全てが適応と考えられます。補聴器の種類や大雑把な特徴とそれに対応した適応範囲を図6と表2に示しました。

 

図6 会話能力からみた補聴器の形と聴力レベルの関係(小寺、1995に加筆)

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表2 代表的な補聴器の適応

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