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これまではいろいろなトレーニングセンターへ少年団員の輸送が得られたのですが、トレーニングの施設がなくなりまた輸送手段がなくなったということで補充していかなければならないわけです。どのように対応したかといいますと、分散化によって実現しました。地域的なプラットフォームで基礎トレーニングを行うということ。これはまあまあうまくいっておりますけれども、その他の問題としては、ボランティアにかなり依存しなければならないということです。これは大きな問題です。全体像をつかむために申しあげますけれども、昨年夏、700人のエスコートを要請しなければならなくなりました。700人に少年団員の世話をお願いしたいと思いました。しかし、集まったのは575人。全員ボランティアですけれども何とか募ることができました。彼らによってトレーニングがまかなわれましたが、ボランティアの人たちは休暇も犠牲にし、自分たちの家族と過ごす時間も犠牲にしています。ということでおそらく、2〜3年たちますとこのボランティアの数もかなり激減するかと思います。ボランティアが不充分ということも問題です。

これは夏のトレーニングのひとつの例です。初めてですけれども、海軍の船舶の活動にも参加しました。ちょうど5年前、93年には65隻の船舶が私たちの少年団員を受け入れてくれました。しかし、去年の夏は展開スケジュールなどもありまして、港の船舶において1隻しか少年団員が使えなかったということがあります。潜水艦に乗れたということもありますけれども、1日、潜水艦に乗る。3年前には潜水艦に近づくこともできませんでした。逆にこれは新しいものであって、楽しいものでしたが、それからシェアホスピタルとか、そういったものもありました。かなりギアチェンジしたということであります。ですからいまは、船舶に乗れるとか、アメリカ海軍の活動に参加できるということからはどんどん離れつつあります。

ただ、少年団員はよき市民になってほしいという希望はまったく変わりません。軍の一員になるよりもコミュニティのよき市民として育成したい、リーダーシップの発揮できる人間になってほしいという希望があります。またアメリカの重要な価値観を持つ。これは、名誉と勇気とまたコミットメントですが、これが実行できるような人間になってほしいと思います。また過去と同様に親が求めていることを実現したいと思います。ギャングとか麻薬がないような環境づくりをしようとしています。私たちがコミュニティに働きかけ、2000年にいたってもこの活動を継続する計画にあります。だいたいこれが私たちの進んで行く方向です。スミス大佐がおっしゃったように私たちはプラットフォーム、土台はできあがっています。基本的なこと、少年団が求めていること、英国がうまく2、3年前のパンフレットのなかでいっていましたけれども、真剣な楽しみを真剣に楽しむということを私たちもこれから継続したいと思います。

 

マーチン・J・ピカリング(イギリス代表):そうですね、スミスさんがおっしゃったことについては、私からも申しあげたい点があります。

私たちは何か壊れたときは、何らかのかたちで回復していいかなければならない。どんなふうに変わっていくか、基本的なところで、プログラムを変えるんだったらどんなふうに変えていくかという基本に戻っていきたいと思います。大部分のみなさんがおっしゃっていることですが、青少年というのは、技術的なトレーニングではなく規律がほしいのだと思うのです。

私のほうからは小さな物語ですけれども、3年間オフィサーとして軍事面について少年団の訓練を担当したときの経験をお話ししたいと思います。地元の少年団のところへ行きました。その時、13歳くらいの少年がドアのところからのぞき込んでいる。中に入りたくない、でも大変に好奇心があって、何とかしてここに入って行きたい気もする。

 

 

 

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