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一方で、途上国においては、やはり基本的な技能ということで入れて行くということ、それぞれが教育者という立場で、私たちは課題を抱えていると思います。人を育成し、より良き市民を育成していくということに関しまして、どなたか高齢化されたオフィサーということをおっしゃったと思うんですけれど、これは私もあまり好きではないんですけど現実にはあるわけですね。それを認めた上で21世紀には対応していこうと、考えていくということだと思います。私の両親の世代ということになりますと、まったく海の上を行くだけでまさか月まで行くとは思わなかったという時代に生きていた人たちです。

ですからその時代時代によって直面する問題は違う。そういった問題というものに、第一世界も第三世界も対応しようとしていくことだと思います。

 

仮議長(カナダ):まったくその通りだと思います。まったく異なめたそれぞれの文脈というのがあると思うんですね。またその中でも程度があると思うんです。おっしゃったように極端な世界があると思いますが、南アという場合にはそういった問題はすべてのものが混在していると、しかしどの国でも似たような問題が程度の差こそあれあると思います。日本が先ほどおっしゃいましたように、価値観、心の教育ということ、また配布されたパンフレットの中にカナダの組織で義務感、規律、他人に対する敬意、そしてチーム精神、市民としての責任、リーダーシップといった言葉を入れております。これは無形の価値でありまして、これがやはり海洋少年団のプログラムの根底にあるべきだと思います。ただ実際に、知識という面でまた入れていかなければならないものがあるといえましょう。イギリスでは非常に実践的な面で重要なる海洋少年団のトレーニングを実施していると思います。アメリカも海洋少年団のトレーニングがシラバスというかたちで出ていると思いますし、また香港でも同様だと思います。香港では、次の世紀の要件といたしまして何が重要でしょうか?

 

アーネスト・チャン(香港代表):とくに準備はしてまいりませんでしたが、香港の場合、14の制服組のひとつで、最も大きいもののひとつです。1000人くらいの団員・オフィサーという組織なんですが、環境が変わりつつあるということ、環境生態系の変化ということもあります。現在、若い人たちが制服組に入るというのは、非常に競争がきびしくなっております。子どもたちにいろいろな選択肢があるわけです。海洋少年団がどういうカルチャーであるかということは、広報しています。軍事的なトレーニングとか、規律とか、リーダーシップといった訓練をしますということをいっているのですが。昨今は子どもたちはほとんどアメリカナイズされてしまっておりまして、経済的な水準が上がっておりますのでほとんどの国が同じだと思います。私たちが若い人たちの意識としてみているのは、私どもの20世紀中頃とずいぶん変わってきているといえます。

海洋少年団の運動もこのような変化に対応しなければならないと思います。基本的に私のほうでは香港では即刻、海洋少年団活動を変えなければいけないとは思いませんが、これまでの経験に基づいて、また海洋少年団の現在の目標を踏まえまして、イギリスの文化にフォローするようなかたちでやっております。

ここでメッセージなんですが、海洋少年団の規模を維持していくためには考え方を変えていかなければならないと思います。すでに古い世代からの指摘があったそうです。オフィサーの多くはもう古くなってしまった。すなわち社会の発展についていけなくなってしまったということです。オフィサーになりたいということで、家族の長というかたちで自分たちがやってきたことをほかの人にもやってほしいと、そういうふうにいかないと叱られると、人前で叱責され罰せられると、こうしたことが古い人たちに見られます。

 

 

 

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