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ウオルディー・M・バーディ(南アフリカ代表):議長。これは大変になかなか難しいといえましょう。

興味もありますが、若い世代へのプログラムということで、私たちは第一世界の中での海洋少年団でありまして、数そのものも下がっているということができます。白人社会の中においてその傾向が見られます。これらの若い世代というのは、実は日本はどうかわかりませんが、もう少し高度なものを求めている。第一世界では、電子機器、先端機器もいろいろなものがすでにあるわけですね。ウォークマンも使っている。その他にコンピュータゲームも使っているし、またいわゆる手で持てるような小型のコンピュータも使っているというような若い世代であるわけです。そういったことがないと、私たちはなかなかうまく人をつかんでいくことはできません。つまり、ボーイスカウトなどがやっているように手旗信号などを教えようとしても興味の対象でなくなっているということがあります。たとえば、ディスコなりサーフィンなり、女の子と遊べるようなことに興味がいく。それだけではなく、第一世界の社会では青少年に同じような傾向があると思うのですが、海洋少年団にはあまり興味を示さなくなってきています。

第三世界のほうを見てまいりますと、この社会ではまだこういったトレーニングを一度も受けたことがないという若い世代がたくさんおりまして、それに参加することすらできなかった若い世代がたくさんいるわけです。この代表団のみなさんに対しまして失礼なことをいっているつもりはないんですけれども、やはりそれぞれの地域によって求めるものの水準が違うということを考えなくてはいけないわけですね。

私たち白人の社会になりますと、すでに長い間、海洋少年団に入った場合は、非常に著名な過去からの歴史がある、そして今までに教わったことのない教育があり、技能もあったわけですが、1950年代からだんだんに減少傾向になりまして、十分な魅力としてひきつけることができなくなったわけです。カナダ、日本、アメリカなども共通してくるかもしれません。韓国もそうでしょうか。やはり、トレーニングとして、電子機器世代のそしてスペース世代の人たちに対しまして、魅力あるものは何だろうか。スペースプログラムと交流しなくてはいけないだろうかといったことが、先進国にはいえるわけですね。

一方、第三世界におきましては、まだ充分高度なものでない状態ですので、伝統的なものがいいと、たとえばアフリカ、インド、その他の国では二方向の問題があると思います。要はこういったトレーニングを提供する。またはディスコに行きたいというような人を何らかのかたちで抑止してこちらに興味を持たせ、また同時にこういった世界にまだ一度も入ってきていない人たちに対しまして基本的なトレーニングというかたちで人を引き寄せるということ。だから二方向の戦略ということになるわけですね。ですから、電子機器時代だということで、それでもうコンピュータがあり、これはむずかしいということでやめてしまうのではなく、たとえば南アの場合では、教育問題でたとえば教室もない、本もない、そして建物もない、あらゆるものが不足しているということですが、それでもたとえばマイクロソフトなどはコンピュータをたくさん寄付してくれています。ですからそれに対しまして、そういう側面も出てきているということがいえます。

ですから単に、それによって脅かされてしまって、懸念を持って技術的な世代のところで私たちは何もできないということではなく、第一世界の中でもやはり私たちはコンピュータの公開を自分たちのトレーニングの中に入れて行こうと積極的にやる。また、コンピュータの通信というものを積極的に入れて行こうと、今や船の上におきましてブリッジキーパーが衛星通信をするということができるわけですよね、ですから国それぞれで21世紀に向けた新しいプログラムを入れて行くということが必要です。

 

 

 

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