日本財団 図書館


・被溶接物を固定し且つこれに近づくためには、携帯式器具の使用には制限があると考えられる。

・機器は普通のアーク溶接と較べると高い資本コストにつくがロボットシステムとは同じ位である。

 

7. 将来展望

今日までの研究は普通の突合せ継手と重ね継手に向けられて来た。しかし、摩擦攪拌溶接は他の幾つかの継手様式にも適している。図5を参照されたい。ここに示された継手様式は多くの工業分野への適用に更なる設計機会を提供するものである。表2に摩擦攪拌溶接の適用可能な産業分野を掲げた。

摩擦攪拌溶接が工業化されるにつれて、適切な工業的器具の開発が促進されよう。TWIは2mの長さの溶接が可能な可動頭部機械を開発した。この機械は可動テーブルを有し最大溶接長700mmの、固定式頭部を付けた当初の研究用機械を補うものである。特殊の工業向けの短溶接用の摩擦攪拌溶接頭部はロボットアームに取り付け可能なことは云うまでもないし、数メートルの長い溶接に対しては、並列式にガントリーに装備することも可能であろう。

今日までに機械/溶接機器製造の2社がこの摩擦攪拌溶接に多大の関心を寄せており、商業化の意図を持っているようである。

アルミニウム合金で18mm厚までの高品質突合せ継手が出来ることは船舶建造に多くの機会を開くものである。これらは板の突合せ継手、T継手による防撓材の固着および形材を継いで防撓パネルとすることに使用可能である。5000および6000シリーズの合金で既に明らかになった継手特性は船級協会の承認取得が可能となっている。

 

参考文献

1. THOMAS,W M et al:'Friction Stir Butt Welding'. International Patent Application No.PCT/GB92/02203 and GB Patent Application No.9125978. 8,6 December 1991.

2. MILDING,O T:'Material Flow Behaviour and Microstructural integrity of Friction Stir Butt Weldments'. Proc. of 4th Int. Conf. on Aluminium Alloys (ICAA4). Atlanta, GA, USA, 11-16 September 1994.

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION