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6 結論

等分布荷重を受ける両端固定の帯板の計算から、防撓構造の板の部分(パネル板)の防撓材端にテーパーをつけて増厚し、中央部の板厚を減らすことにより、中央部と端部の応力を同一レベルに持って行けば、同一材料、同一許容応力の下で、少くとも30%の重量軽減が可能であることを示した。アルミニウム合金の場合圧延した板と押出型材とでは、降伏応力が若干異るので、テーパー板を押出で製造する場合は降伏応力の違いを修正する必要があるからこの30%という値は若干下ることになる。
注)一方圧延板に防撓材を溶接する構造が一般的であるが、この構造では隅肉溶接の不整により応力集中を生じ易いなどの弱点がある。テーパー型の押出材では、テーパーの両端に丸味をつけることにより応力集中を大幅に減らすことが可能である。アルミニウム合金のように疲労強度の低い材料ではこの利点は大きい。本文がこのようなテーパーまたは適当な形状で板の厚さを変えることにより、重量軽減を図ると共に、工作上の弱点をカバーしてアルミニウム合金やFRP構造の合理化に役立てば幸いである。詳細な実験との対比を行うべきではあるが、設計の目的からはレベルがわかれば良いので、後の機会に譲ることとしたい。

 

 

 

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