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付録 C

長崎総合科学大学工学研究所所報第5号

 

不等厚平板の設計法

金子幸雄

 

A ProporsaI to Designing Non‐uniform Thickness Plating

 

Yukio KANEKO

 

Abstract

An effective method to get a minimum weight of stiffned panels is to minimize the thickness of plating with stiffeners spaced closely as possible.However some limits seem to exist with equal‐thick plating as far.Then the author propose here a design method of non uniformly thick plating in order to get lighter panels.One example is presented for strips with thicker clamped‐ends(haunched)under uniform pressure which shows ab 30% of weight‐saving compared with uniform‐thick plating of same material.The guidance for dimensions of plating can be shown as follows.

 

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1. 緒言

船舶等の構造物は、主として流体による荷重に対して所要の強度と剛性を備えるように設計される部材が少なくなく、この部材は構造物の内部に流体の浸入を防ぐための皮材(外板、甲板、隔壁板がこれに相当する)と、皮材を補強する防とう材(肋骨、梁など)からなる補強板で構成される。構造物全体の強度(縦強度、横強度など)を問題にしなければ、流体による荷重等の局部荷重に対して安全であればよいが、船舶の性能あるいはコスト低減の要求から、この防とう板を軽量化することが必要となる。軽量化は必ずしもコスト低減に結びつくとは限らないから、ここでは単に軽量化だけを対象にする。
防とう板の構造重量を軽量化する最も効果的な方法は、防とう材の間隔を減らして、板の厚さを減じ、防とう板の中に占める板の重量比率を小さくすることである。しかし工作上の理由から板厚には最小限があるから、余り小さくすることはできない。一般に板の部分は防とう材の個所で固定された板として、流体荷重(分布荷重)に対抗するように設計される。鋼やアルミニウム合金などのような金属材料によって構造物が構成される場合、この板材は等厚板としてロール成形により製造されるのが一般的であるから、板の重量軽減は防とう材間隔の縮少以外にはない。
もし板の厚さを応力に応じて変動させることができれば、少くとも弾性限界内での強度を問題にする限り、さらに有効な重量軽減が図れることになる。アルミニウム合金は押出性能が優れているという特徴を有するから、防とう材と板を一体にして押出した防とう板の製作が容易であることに着目し、板の部分を応力に応じて可変厚とした型材の採用を試み、防とう材2本を板と一体にした型材をπ型押出材として発表した1)。(第1図)。

 

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第1図 π型押出材

 

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(a)ハット型防とう材

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(b)Z型防とう材

第2図 FRP構造

 

 

 

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