我が国は前回NAV43では反対票を投じたが、その後指摘事項の解消が図られ、日本が主張した3条件が受け入れられたため賛成票を投じた。RCDS問題はMSC70へ舞台が移るが、伊提案の公式海図問題、海図の測地系問題はNAV45に引き継がれることとなっており、引続き海図専門家のNAV若しくはMSCへの参加が必須であるところ、右よらしく取り計らい願いたい。
(6)電子海図システム(ECN)のガイドライン
TWGにおいてIHBのN.Guy理事より、IMO/IHO HGEグループ、IHOのHGE事項に関する会合でのガイドラインの策定状況や取り扱いに関する報告がなされ、IMOとしてガイドライン策定の必要性が再論議された。この結果、各国において国内基準がかなり策定されていること等から、IMOとして更なる作業は必要なしとする意見が多数を占め、本件はプレナリーに報告され了承された。
(7)INSの性能基準
本システムの、性能基準作成のための審議はテクニカルワーキンググループにおいてなされることになり、IEC提出の性能基準(案)(NAV44/7/3)及びフィンランド提出文書(NAV44/INF.3)をベースになされることになった。IEC提出の同基準(案)においては、ソースの異なる設備のACCURACYについて調整が十分になされていないことの指摘をはじめとして、同案について手直しのため検討すべきところが各国よりコメントされた。当方からもパラ7.2は品質確保のための製造者の資格要件であって、性能基準の関係事項ではなく、しかも品質保証のための規定は既に第5章改訂草案第19規則パラ4に既に規定されているので、これを削除すべしとの発言を行った。問題点が多々あることが各国の認識するところとなり、フィンランド提案文書と調整の検討を含め、 ドラフティンググループが設置され、検討のうえ改訂(案)が作成された。ドラフティングでの審議概要は次の通りである。
(イ)議長(Mr.Lee/英国)より審議の進め方について説明があり、IMOのドラフトとして提出されているNAV44/7/3(IEC)を資料として、この性能要件案の条項に従って検討することとしたらフィンランド提出のNAV44/INF.3の扱
いについては、提案者よりの背景説明があり、これを考慮に入れて適宜NAV44/7/3の条項に折り込むこととした。