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用を不要に拡大することに対する懸念が、また、韓国、ギリシャからは、基本的な考え方については理解できるものの、米国提案の通報制度を強制基準とするには更なる慎重な検討が必要であり、よって、強制基準ではなく勧告とすべきとの意見が述べられた(リベリア、マーシャル、ロシア、ノルウェー、ICFTUが支持。我が国としても、米国提案に全く反対する国はなかったことから勧告とすべきとする意見を支持)。

これに対し、加、チリ、トルコ、バハマからは米国提案を支持する意見が出された。本会議での議論はひとまずここで打ち切られ、ワーキンググループ(WG)での議論に移された。

(口)20日WGにおける審議概要

米国より提案の趣旨について詳細説明が行われるとともに、強制基準とすべきことが強く要請された。リベリアより、強制基準とした場合の鯨との衝突時における船長責任にかかる問題に関する質問が、ノルウェー等より、将来における同様な制度の適用拡大に関する懸念や強制基準とすることによる効果に対する疑問の表明、通報を受けた場合の進路変更、速力ダウン等の義務の有無等に関する質問が行われたところ、米国より、当該システムにおいては、情報交換が目的であり、進路変更等を強制するものではなく、船長判断に委ねるものであること、また、今回の提案はセミクジラの特異な生態等に起因するものであり、他の海洋生物への拡大は、より厳格で高いハードルを設けているので、まず起こり得ないとの考えが表明された。このような意見交換に続き、ノルウェー、サイプラス、パナマ、ギリシャ、我が国より、強制基準とするためには更なる検討が必要、勧告とすべき等の意見が述べられたのに対し、蘭、豪、独、南ア、UK、端、インドネシア、仏、加、デンマーク等多数の国が米国提案を支持した。

(ハ)21日WGにおける審議概要

米国より、それまでに提示された各国からの質問・懸念に応え、1]米国提案は、船舶に対して進路変更、速力ダウンなどを強制するものでないこと、かつ、航行の自由を阻害するものでなく安全航行に有益な情報を供給すること、2]鯨との衝突に対し船長責任を追及するものでないこと及び3]このような強制船舶通報制度の拡大は支持しないことなどが表明された。

 

 

 

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