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その後、イタリア、ノルウェー、ロシアのRCDS否定派と英国、米国、オーストラリアのRCDS肯定派の間で激しい応酬があったが、韓国、ドイツは日本提案を支持し、議論はTWGの場に移されることになった。TWGではこの件に関してIHBのMr. N.Guy理事をchairmanとするRCDS分科会が設立された。

同分科会でも両派は対立したが、否定派もRCDS性能基準案の作成には反対しなかったため、性能基準案NAV 44/WP.2/ANNEX 4(添付資料8)を作成し、TWGに報告することとなった。

この案は、RCDSはENC未刊行の海域でECDISの1モードとして紙海図と併用して使用できるとするものであるが、否定派はRGDSはSOLAS V/20に該当しないことを明記し、ECDISとは別の単独基準とすべき事を主張した。

TWGでは両派の意見が引き続き平行線をたどったため採決を行い、賛成多数(反対は3カ国)で分科会案をプレナリーに送ることとなった。

プレナリーにおいても否定派は従来の主張を繰り返したが、・フランスはRCDS問題は

NAV 42以来の宿題が解決され、TWG案はENC優先、ENC整備まで、紙海図(folio)併用が盛り込まれていること等から、NAV 44で受け入れるべきではないかとの提案を行い、採決の結果、賛成38カ国、反対5カ国(否定派とチリ、ウクライナ)で承認され、議論はMSCの場に移されることになった。

 

5.2.6 電子海図システム(ECS)のガイドライン

 

TWGにおいてIHBのMr. N.Guy理事より、IMO/IHO HGEに関する会議でのガイドラインの策定状況や取り扱いに関する報告がなされ、IMOとしてガイドラインの策定の必要性が再論議された。

この結果、各国において国内的にかなり整備されていることから、IMOとして更なる作業は必要ないと言う意見が多数を占め、本件はプレナリーに報告されIMOではこれ以上取り扱わないことになった。

 

5.2.7 INSの性能基準

TWGにおいて、IEC提出のNAV 44/7/3及びフィンランド提出のNAV 44/1NF.3をBase documentとして審議された。IEC提出の基準案では、各設備の精度の調整が十分でないと言う指摘を始めとして、同案についての手直しすべき箇所が多く指摘された。日本からもPara.7.2は品質保証のための製造者の資格要件であって、性能基準の関連事項ではなく、しかも品質保証のための規定は既に第V章改訂草案第19規則Para.4に規定されているので削除すべしとの発言を行った。このように問題点が多々あることから、フィンランド提案文書との整合も含めdrafting groupが設置され、英国のMr. Leeがchairmanとなり、IECからのNAV 44/7/3をベースに、フィンランドのVAV 44/1NF.3を織り込んで、基準案NAV 44/WP.2/ANNEX 3(添付資料8)を作成した。この案はプレナリーで承認され、MSCに送られることになった。

 

5.2.8 音響受信装置の性能基準

前回NAV 43のWGで作成された性能基準案NAV 44/7/ANNEX 3をベースにTWGで検討された。音響周波数帯について「70〜700Hz」をCOLREGの規定を考慮して「70〜

 

 

 

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