2. 調査
2.1 調査目的
離着桟操船は船舶運航の局面の中でも最も難しく、離着桟操船の効率化、安全性向上を図る援助装置の普及が望まれている。しかしながら、離着桟操船は船の大小及びその装備により操船方法が大きく異なり、灘着桟援助装置に対する統一されたイメージがないのが実状である。最近、内航船にジョイスティック式操船装置が導入され、離着桟援助装置の一つとして普及し始めているが、今後この種の装置の普及を促進するためには標準化が必要不可欠と考える。従って、本調査の位置付けは普及している製品の標準化ではなく、標準化により離着桟援助装置の開発及び普及を促進することを念頭に進めたものである。一方、離着桟援助装置には係船機能も含まれると思われるが、係船装置は各船に装備され、既に標準化も進められているので、本調査では離着桟援助装置を
「離着桟援助装置とはアプローチ、離桟、着桟操船に関わる情報や操作(制御)を統合し、離着桟操船の効率化と安全性に寄与することを目的とする装置の総称である。」
と定義し、離着桟操船の支援をする装置と位置付け、作業を進めた。
平成10年度の調査では、下記を目的とし、アンケートによる基礎的な調査を行った。
・離着桟支援装置に対する現状認識と普及の実体を明らかにする。
・使用者の動向及び要求を明らかにする。
・普及に際して障害となる技術的問題点を明らかにする。
・標準化の必要性及びその対象を明らかにする。
2.2 調査項目及び内容
今回のアンケート調査では離着桟援助装置を使用されたことがない方も対象となるため、離着桟援助装置の機能を下記の3つに限定し調査を行った。
1]支援情報表示機能
操船に必要な情報を集約し、分かりやすい形で表示する機能。大縮尺鳥瞰図表示、自船運動予測、運動情報の表示、操船指令及び推力表示等がある。
2]操船制御機能
アクチュエータを個別に制御するのではなく、ジョイスティックレバー等で推力や速度を指令する機能。推力制御、速度制御、位置、方位制御等がある。
3]警報機能
離着桟援助装置は緊迫した局面で使用されるため警報機能の重要度が高い。速力過大警報、監視/診断、過負荷警報等がある。