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離着桟援助装置の標準化に関する基礎調査報告書

 

1. まえがき

 

国が主導して昭和58年度から昭和63年度にかけて実施した「高度自動運航システム」のプロジェクトでは、主に自己完結形の知能化船の研究・開発が行われた。

(財)日本船舶標準協会では、「高度自動運航システム」で研究開発された個別システムについて技術の現状と標準化の要望についてアンケート調査を行った。このとき、13項目の標準化対象項目を挙げ、この中で要望の一番多かった「統合ブリッジシステム-設計指針」について草案作成を行い、平成9年4月21日に制定した。この規格は、少人数乗組船の乗組員の作業負担を減らし、安全性と経済性を向上する目的で統合ブリッジを搭載する船が多くなってきたという現実を踏まえ、機能・操作・安全性の面から基本的な要求事項をガイドラインとして規定し、今後の統合ブリッジの普及と関連する技術開発を促進することをねらった規格である。

今回取り上げた離着桟援助装置は、当初「自動離着桟システム」として13項目の一部を構成しており、現在ではGPSの精度向上と共に脚光を浴び始めており、特に内航近代化船などでは採用頻度がかなり増加している。このような状況を受けて(財)日本船舶標準協会の平成10年度事業で「統合ブリッジシステム」と同様の目的で、標準化に取り組むため必要な基礎調査を運航支援システム専門分科会(分科会長 大和裕幸氏)で実施した。調査にあたっては、アンケート方式による調査を中心に専門分科会での議論や実地船舶の調査など技術の実状とシステム開発のニーズについて検討を行った。
今回の調査の中心は、個々のハードウエアの標準化ではなく、未だに標準の無い離着桟システムの在り方の概要を整理してアンケート用紙に記載して回答者に示し、これにより当該技術の開発にドライブをかけたいという気持ちを込めた調査研究が中心である。そもそも、離着桟システムといっても大形外航船舶と内航船舶とでは、利用頻度も手順も人員もかなりの差があるといえる。従って、離着桟システムの標準化のニーズを調査すると共にイメージを作り、システムの概要を作ることが急務であった。

今年度は、株式会社トキメック殿に取りまとめ等をお願いし、専門分科会での十分な議論を基にアンケート票を作成し、会員会社を中心に広く御意見を伺った。以下、本文中に示すように高い回答率と共に多くの貴重な御意見を賜り、次年度以降の標準化のための作業への大きな足がかりを得ることができたと考えている。

 

 

 

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