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修学旅行誘致の委員会を設定されていると聞いた。気がついたことを言うと、有意義な場所で修学旅行の可能性はある最後の場所かなと思った。しかし資料館と語り部だけでは修学旅行だけでは誘致できない。それだけでは環境破壊した町という印象だけが残ってしまって、かえってその二つに頼ることは水俣に目指しているところと逆行していくんではないかと強く感じた。

水俣ってこんなに楽しいところなんだ、こんなに素晴らしいところなんだと、その水俣の生活のあり方を、十分楽しませたうえでの、環境問題とかいろんな部分の勉強すると、人間初めてそこに気がついて、ことの重大さ大きさに気がつく。ただバスに揺られて眠いところで講演を聴かされると、ほとんど寝てしまう。これは水俣にも不幸、聞いてる子供も不幸。

資料館と語り部での誘致は止めたほうがいいでしょう。というところでこのフィールドワークのグリーンツーリズムがクローズアップしてくる。今教育現場のなかでこのグリーンツーリズムの定着、この考え方に沿った教育をしたいという学校が非常に多いはずです。軌道にのれば反響を呼ぶ、それは危惧もある。

九州の修学旅行需要は落ちている、長崎も阿蘇も。全体がトーンダウンしている。年内にはこのツアーのプログラムができないと(1999学校へ提供、2000年実施)2001年までこない。

運営主体、運営責任が見えてこない。相談窓日が見えない、一本化が必要。

資料館が無料だが、有料がよい。展示更新や金を払って見るほうが真剣にみるのではないか。グリーンツーリズムの財源にもなる。無料にする意味がわからない。見る側と提供する側の姿勢が問われる。修学旅行では大挙して押し寄せてくる。高校生が主体、250人前後が規模。コースプログラムを作っていく。宿泊を前提としたグリーンツーリズムやフィールドツアーのプログラムを提供する、本来の環境教育の実効性を上げるようにして欲しい。

 

梅原:自分のイメージで残っているのは、杉本さんの顔がガーンと残っているだけ。景色よりも人の印象、説明してくれる顔や笑い顔のほうが印象深い。翌日は栄子さんに詳しい話を聞けると思っていたが、あの時間けなかった微妙な話が聞けると思っていたが。栄子さんの具合が悪く聞けなかった。最初の栄子さんの話を聞いたとこなんですけど、そっから組立てられることがいくつかあるなと。山がしっかりしていれば海から魚が湧く。

人にたくさん来てもらう村おこしもあるが、あまりたくさんきてもらうと困る。人を受け入れるしくみにシフトしてくと、だんだんいやになってくる。ちょうどいい人が来てくれる。修学旅行もちょうどいい。その中心には栄子さんが感じていることがある。そこに水俣の生き方がある。

私の住む、日本最後の清流といわれている四万十川はそろそろ最後がくるのではないかとっている。自然の脅威に立ち向かう考えが先に立ち、自然が豊かなところは環境を大事にしない。きれいな水を護っても金にならない、高知の息子に1時間早くいけるほうがいいと思うようになる。建設工事のほうが優先される。水俣川は、自然指数が上がっていっている、ベクトルの違いを感じている。

 

<コメント>

吉永:杉本さんご一家が歩んでこられた道これから歩んでいかれる道が、水俣の歩む道かと感じている。人間が一番の財産と思った。企業優先から人を取り戻し、人優先を目指している。問題が発生したことによって、浮き彫りになったと感じた。人間的な関わりが大切。量の問題ではなくて、水俣は質の問題を追求する。持続可能な発展。

 

 

 

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