日本財団 図書館


総括

 

シンポジウム当日は天候に恵まれ、午前中の布土ウォーキングの参加者も加えると100名を超える参加者となった。午後からのシンポジウム会場も盛況となり、地元の布土住民の関心の高さがうかがえた。

 

今回のシンポジウムでは、「地元学」調査に参加された方々が、布土の自然・文化・歴史・市民活動などそれぞれの得意分野について様々な発表を行った。このとき驚いたのは、あまり大きくない地区(約800世帯)の中に高い専門性を持った方が多くいるということである。里山遊び、里山の動植物、きのこ採り、山芋掘り、みがき砂の歴史、祭りの山車の歴史、竹の歴史や利用法・竹炭作り、ハーブづくり、ぼかしづくり、ドライフラワーづくりなどの各方面に通じたプロがごく身近に住んでいたことには、地元参加者もびっくりしていたようである。

本シンポジウムのメインテーマ「あなたは住んでいる地域のことを本当に知っていますか?」という問いかけである。

シンポジウム後の交流会の場で、川平氏のコメントがみなの感じ取っていた想いを代弁した。

「今回のあるもの探しで一番の収穫は、「人の能力」「人の力」の発見であった!」

 

さらに、地元布土への関心が高まったことは言うまでもなく、これまで以上に住民同士のつながリが深まり、お互いをよく知り合いチャンスとなった。また、「地元学」を通じて、住民と行政が同じ土俵で活動する中から地域の抱えている諸問題を発見し、一緒に改善方法を検討する機会が増えるなどの作用も見られた。

 

今回のシンポジウムを契機に、地元住民主体による生きた「地元学」のスタートがきられた。

今後、美浜独自の「地元学」をどのように展開していくのかが楽しみであると同時に、美浜町における「自然との共生の町づくり」へと繋げていくことが大きな課題であるとも言えるだろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION