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<竹田純―>

2年前、布土の人が吉本さんの書かれた『私の地元学』を探して「これだ」という風になったのはすごい。意識の高さを感じます。

何故、里地ネットワークをやっているか、と言いますと、簡潔に言えば我が家の「子育て」です。

日本では30年前にも確実に里山は残っていて、里山文化はありました。里の文化と言うのは何か、と言いますと、里で暮らしている人、農業、漁業、農産加工、町で大工さんをやっている人、といろんな人がいます。自然環境のないところを町を言いますと、自然の残っている里は背後に里山があり、その山と一緒に一つの生活文化を形成していたのではないかと思います。

「子育ては、親の真似をするんだ」と吉本さんもおっしやっていましたが、子育てしようとしたら、当時住んでいた東京の目黒ではできない、と言うことで、鎌倉に引っ越しました。ここで僕はおやじがやっていた子育てを真似してやっています。炭を焼き、事を掘り、味噌を作り、そんな生活をしています。

だいぶ世の中が変わってきており、日本の社会全体が、また、これからの持続的世の中どうするんだ、と言う環境庁の動きがあり、そんな人たちとの出会いから事務局をやることになりました。

僕の考えていることは簡単で、かつてあった里山文化のような循環型社会を現代流の循環型社会、里山文化をつくってしまえばいいのではないか、それを楽しんでいるモデルになるような地域が一つあって、そこが元気に楽しんでやっている地域ができればいいのではないか、かつて30年前に持っていた人と人、人と自然との関わりの金にある知恵や技術が切れてしまう、その後に何が作られるのかなと思う。

この美浜で僕が勉強させてもらっているところは、外から来た人が、選び取ってこの美浜に住みたくなる、きっとそんな地域になるのではないでしょうか。早くとっても元気に選び取られるまちになってほしいです。

小さい頃から、人と人、人と自然の距離がきちっと測れるような子育てをしたいと考えています。親が子供とともに子育てとともに成長し、周りの人も一緒にその地域のことを考えながら一緒に生活していく、そんな地域になってほしいなと思っています。

里地ネットワークのモデルはどこにあるの、と聴かれたら「美浜だよ。是非行ってみて」と遠慮なく言えるような関係でありたいと思っています。

 

 

 

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