江:町民プランニングシステムは、ビールを作ってみたいと言う町民の話しからできたものもある。
宮:プランから町民が参加すると、住民の味方を得られ、人材も育成され、実行する時にも町民が関わってくれる。
もう一つは、なかなか前向きの町づくりに関することがなく、参加が得られにくい。町民参加を得るにはどうすればいいか、ということで町民一本釣リシステムを行った。
江:私たちの北里地区は湧蓋山が見渡せる地区。人口約900人。町の中で歴史の古く、戦場になったところ。今でも無縁仏がたくさんあるところ。教育に熱心なところ。明治に小国中学校を置いた。そんな環境なので北里柴二郎博士が生まれたのではないか。
宮:北里川の河川公園は都市型公園計画があったが、しかしこれではまずいんではないかと言うことで、自然に近いものにした。人間はたくさん自然を変えてきた。その中で人が生きていくための、共生するための環境と言うものを如何に考えて手法を選んでいくか。
江:アンケートを取ると「公園がほしい」と言う声が多く、そのほとんどが都市公園であったが、最近は自然公園のニーズの方が大きくなっている。10年前の計画された時と現代は違います。例えば、子供たちに風船を持ってもらって、樹木を植えるとしたらどのくらいの高さするかを考えた。地域の子供たちに集まってもらって遊べる範囲を実測したりした。勾配のきついところだったので、湧蓋山を見るのにどのくらいの勾配がいいのか考えてもらった。
現在も地域の人との話し合いが続いています。県と話し合い、10年経ってもまだ決まっていない。自分たちにとって公園とは、子供たちが安心して遊べる公園とは、と、使いやすい公園を作っている。
宮:町づくりの中でいろんな取り組みをしていて、意識の上でも行動の上でも、変わってきているのではないか。
学びやの里づくりの用地交渉をした時、「こんなところに作っても、誰も来ないし使わないJと住民は言う。それは悪条件ばかりに目をむけてしまうから。夢として頭として創造したものが頭に浮かばない。これは農村の保守性とか地域性とか、そこがあるのではないかと思う。
・スライド上映による地域の説明
江:西里の集落では、農業道路を作って下水道を整備した。将来多くの人が訪れることを考え、整備をした。自分の暮しと何らかの関係が出てこないと、環境問題を考える行動を起すことは難しい。
北里地区の理念は「勉強しなさい」「人と出会いなさい」。これは北里博士が実際に言ったことではないが、図書館と貴賓館を作ったことから、この様なことを言いたかったのではないか。
料理グループは、自分たちで楽しい暮しを作ることができたらどんなにいいだろう、と思って作った。
町づくりの取り組みの中から、新しい人が来る、そして新しい産業が起こる。
昔のまま何かをそのまま保存するのではなく、新しくそれを考えていくことが難しい。子供たちが担っていく、継続性と新しい地域性を考える。
宮:全体から醸し出される発想とか行動とか、そういうことができることを評価して、小国には視察に来る人が多いのではないかと思う。そういう中で、住民の意識がないと外部に伝えていくのは難しいのではないか。
江:森のキオスクという農産物直売所ではおばあちゃんたちが毎日交代で店番。日当3000円もらえる。高齢者を中心いに一人50000円の出資をしてもらってここを造った。
この効果として一つは休耕地がなくなった。何故なら物が売れるため、荒れ地に野菜を植えて売るようになった。