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外部参入者(ハビタント)と地域活性化

 

講 師 : 河原利和(鳥取県智頭町地域づくりアドバイザー・とっとり政策研究センター研究員)

開催日 : 9月19日(土)

場 所 : 表参道・新潟館 ネスパス

 

本年7月まで、(財)環境文化研究所に所属し、さまざまな地域づくりに関する調査研究を行なってきました。現在は、鳥取県智頭町の嘱託職員として、地域づくり、計画づくりを行なっています。

10年以上、田舎(特に過疎地)を歩いていたつもりですが、改めて住んでみるといいところもあり、よくないところもあります。例えば草刈りをする時、蚊に刺されると免疫がないために地元の人より腫れてしまい体力のなさを実感します。都市に住んでいるとわらからない部分が沢山あります。

 

●智頭町の事例

智頭町は、鳥取県の東部、岡山県・兵庫県との県境の典型的な山村です。93%が山林で、ほとんど平らなところはありません。県内では一番面積は広い町です。

それらを逆手にとって何かできるかと思っています。海の幸も山の幸もおいしいところです。地元の人にとっては当たり前ですが、特に水のおいしさを感じます。ここはとても豊かな生活が実感できると思います。

ここは行政より住民のほうが元気のように感じます。今の町長は就任2年目に入り、現在町のビジョンを創ろうとしているところです。その方向を出すための手伝いをしています。

 

●ひまわリシステム

ひまわリシステム(サービス)は郵政省のモデル事業になっています。このシステムは、毎日の郵便配達時に外務職員が配達中に独居老人の巡回サービスをすることです。これは、外務職員さんが声をかけていることにより老人たちにとても喜ばれているようです。

 

●日本0分の1村おこし運動

また、日本0分の1村おこし運動も行われています。無(0)から有を生みだす意図が込められていて、まず住民一人一人の個性と価値を高め、自分たちで集落の計画を考え、自らやっていこうと地域づくりを支援していく運動です。運動はまだ89のうちの9の集落にしか広がっていませんが、20くらいになれば成功だと思います。このシステムは村社会にとってはイノベーション(変革)であり、新しい村づくりをする規範づくりが入っています。これは地域内部と外部の事情に精通しているキーパーソンが一人でもいないとできないことです。また、内部の人だけでやると必ず行き詰まってしまうので、外部の人を受け入れる許容がなければいけません。

地域内に元々活動組織があってそこから0分の1運動が始まった地域、まったく無く始まった地域がありますが、これらを比較すると外見は一緒ですが、本質の違いがみえてきます。

 

 

 

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