-中心的価値と周辺的価値
中心的価値(組織の中心的考えや規範など)を明確化にし、周辺的価値(席次や服装など)を自由にすることによって、組織の活力がでる。
●活力を高める要因と要素
共通目標の明確化、役割分担、効力感をもたせていくことが、活力を高める要素となっていく。新たなる中核組織の形成も重要。このような組織は元気だが、基礎集団が連絡組織に変わると、活力がなくなる。部落組織(基礎集団)の上に、名称の如何を問わず推進統括する組織をつくることが重要。組織活動を通してリーダーを育成する。組織活動がないところには、リーダーが育たない。相互信頼や、「共に」「一緒に」やろうという気持ちの培いも重要。
●公民館活動の意義
町村単位の公民館活動は、地域の主導で、上からの指示で行わせる。そうではなく、地区や集落単位で活動する公民館が重要である。また公民館活動は「館」ではなく、「活動」をさす。
-茨城県美村里川地区の事例
里川の活動は、日本の敗戦を出発点として、青年が自由に集まれる会館を造ろう、ということからおきている。それで、3年かけて、会館を建設した。30から40歳くらいの人が、役員となっている。この年代は、若年者にも高齢者にも自由にモノが言える。里川地区のアンケート調査では、87%の人が「活力がある」と答えている。何が活力を高めているか?相互の協力、相互コミュニケーション、若い人が自出に発言する場がある。50戸の集落に、30もの組織がある。一世帯平均5人で、人口が増加傾向にある。公民館活動による自主性と協力心の向上がある。自分たちの地域はすばらしい、と考えている。里川地区は山間地で、嫁問題がない。何故なら、それぞれの家庭に温かさがあり、その温かさが、青年の気質を温かくしている。青年も、家族も、地域も温かい人である。これが、かつて日本の農村にはあったんではないか。今の日本には、この温かさが重要だと思う。
●地域の活力向上の過程と方策
-地域の人が元気になっていくには、どうすればいいか。
「現実→意識化→願望→行動→効力感・充実感を持つ」という中で、活力は向上する。これを促すことが地域が元気になってくる要因になる。元気になると共に、地域が意識を高め、願望が生まれていく。現実から「どうにかしなければ」という行動をすることが大切。