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-よみがえりを重視して変化を図る:栃木県葛生町仙波の「そば店」の事例

栃木県からの予算をもらい、人づくり研修会を行った。部落長らが集まり、その年に役員になった人、3集落の23人で、月1回の研修会を行った。研修会では、それぞれが自分の地区のことを考えながら20分間話す。話しするということは、誰しも考えなければならない。これを2年間で15回やった。この結果、一般の人がリーダーに成長していった。仙波では、3食に1回はそばを食べていた。婦人の有志25人で、自分たちでそばの研究を行い、高齢者センターを利用し、そば加工場を作り販売した。その時、やる気があるかないかを試すために、各自から3万円を出資してもらい、加工販売組織をつくった。

 

-難しい課題に挑戦することも人間形成をしていく:三重県阿山町「モクモク」

効率化を推進する中で元気になった事例はない。地域の個性を引き出しアイデアを創造していくことが地域を活性化させてくることになる。三重県の阿山町の「モクモク」は農事組合法人で、現在20数億円の売上げがある。若い人200余名が働いている。自分のところの麦を使って地ビールやパスタを作っている。ここでは手づみ野菜の仕組み作りを行い、農場マーケット化を図っている。消費者が畑に入り収穫して、その分のお金を払う仕組みだ。その結果、消費者は、虫のついた野菜がおいしいという考えで、虫のついた野菜を好んで買っていく。

 

●組織のタイプと活力

活力ということを考えた時、組織には年齢があるということを知ることが大事。地域や組織にも、青年期、中年期、老年期がある。人間は自然に勝てずいつか死に至るが、組織の場合は、再度若返ることができる。老年期になったとき構造壊しを行う。組織を青年期に返すことを行わないと組織は死んでしまう。

 

-組織タイプ

組織タイプにはピラミッド型とクッション型がある。ピラミッド型は活力を持たない。クッション型のように相互に影響しあえる組織にしておくと活力をもつ。ピラミッド型の官僚組織はだめ。農村の集落は、近年このピラミッド型の組織が増えつつある。

 

-内発的意欲と「効力感」

効力感…自分がやったことを周囲に何らかの影響を与えているという実感。

内発的意欲…個人が活動に魅力を感じて、自発的にやろうと言う気持ち。

 

-「メダカの学校」と活力

スズメの学校=む一ちを振り振り…

メダカの学校=誰が生徒か先生か…

誰もが先生にも生徒にもなり得る。これは互いに影響を仕合う。また、指し手意識を持つ。組織はこのような状態にすることが重要である。

 

-大きい集団と小さい集団。

いっせいに「あーっと」声をだすのと、一人一人が「あーっと」だすのと、そのトータルの音量はどちらが大きいか。組織が大きいと、自分が手抜きしていいという意識が生まれる。15人〜16人くらいが一つの目安。それ以上だと手抜きが生じる。特に婦人グループが元気がいいというのは、このことがある。

 

 

 

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