自分達の身近な空間を衣食住など基本的な要求を身近なところで賄えるような環境を作るトータルなデザインが必要であると考えられる。
「今までの生活の知恵」、「地形や気象が持っている特買」、「地域内における人々のつながり」、「環境に負荷のない新しい科学技術」。
これらのデザインソースをベースとして、全体のデザイン体系を考えている。
農業では近代的化学農薬を使わない。森林はほっといても大きくなる。そういうエコシステムを生活のデザイン体系の中に取り入れていると、耕さなくても収穫はできるのではないか?
●ビル・モルソンによる倫理と原則
「ガイヤとしての地球に配慮をしよう」…地球に何かを返す、何らかの配慮をする。
「人間に対する配慮」…人間社会の在り方を考えよう
「余剰物の分配」
近代農業や近代地域計画にこのようなことはまったく配慮されていない。
「近代農業の倫理は生産性を上げること。」
「資本主義の倫理は投資したものに対して最大限の収益がかってくること。」
現代は、資本主義の中での持続性や循環などを言っている。しかし、これはまだ地球全体では共有しあっていないかもしれない。
●パーマカルチャーの原則
近代的なものはフロー型である。ある生産、都市生活をするためにあるものをインプットしてそれを使ったらそのままアウトプットするだけ。
それに対してパーマカルチャーはAにとってはアウトプットであるものがBにとってはインプットとなる。さらにBからアウトプットされたものはCにインプットされる。こういうサイクル型の連携をっていく。こういうことで農業経済社会的システムが成立つのが基本。
-つながりのある配置
例)
鶏に必要なもの(インプット)…餌、水、空気、土。
一方で鶏が出すもの(アウトプット)=生産するもの…卵、肉、糞、熱。
鶏の特性…地面を引っかく。虫を採る。=土を耕す
近代は、「生産」部分しか考えていなかったが、それぞれの持っている特性をシステムの中で活かせるように、これら全体を上手くつなぎあわせる。
畑を作ることと養鶏すること、それを両得でやっている。さらに、鶏の糞はハウスに落ち、ハウスからの有機物は養魚地に落ち、鶏の出すエネルギーは熱源となる。
これらの結び付け方は各要素の観察、分析が必要。それぞれの要素の特性を上手く利用し、結び付けることによって比較的無理なく全体のシステムが動く様になる。
自分達の生活の場で使える要素は何で、それをどう上手く組み合わせれば全体の完結したシステムができるか、と言うことを考えるのがパーマカルチャーの基本。