日本財団 図書館


1]Dコースでは、まさに「水俣の自然」を満喫できました。

お茶の葉や天然の柿を、農薬の心配をすることなく、かじることが出来るのも嬉しかったし、七滝での末もとても美味しかったです。

そんな中で、特に贅沢に思ったのは、地元の方が手造りされた昼食です。すばらしい景色の中、竹の器で味わったお茶やおにぎりの味は格別で、私の五感の全てが満足したひとときでした。また、ゴミが出ないことも流石だと思いました。

2]交流会では、私たちツアーのメンバーの感想意見を、進行役の竹田さんが自然な形で提供したことで、更に意見交換がスムーズに出来たように思います。私個人としては、これも良い勉強になりました。また、帰り際に、一人の男性が「外から来る人が、ほんとうのところは(水俣を)どう思っているのかをずっと知りたかった。今日は大変参考になりました。ありがとう」と声をかけて下さいました。その時は、ほんとうに来て良かった!と思いました。

私も水俣で、自然とのつき合い方や、多くのことを学びました。このような形でお互いに良いところを学びあい、成長していけたら、とても意味のある出会いに出来ると思いました。

*宿泊先=喜久屋さんの感想

宿の方の応対もお料理も大変満足できるものでした。ただ、お部屋にもう少し清潔感が欲しかったです。人形や、ボロボロになった掛け軸は不要だと思いました。

 

阿部栄子

1]飛行機、バスでの移動

何日も降り続いた雨がすっかり上がり、鹿児島空港は真夏のような空で迎えてくれた。水俣については、出発前の資料を読んで、以前とはだいぶ違ったイメージを抱いていた。更に、バスの中で、相思社の方から話を聞いてそのイメージが具体的で現実味を帯びたものになった。やはり、読むのと聞くのでは理解力が違うし、実際に体験することはすごく大きなインパクトになると思うと、とてもワクワクした。

2]水俣病資料館・埋立地見学

資料館はとても美しい建物だった。見晴らしも最高で、海からの風がとても心地良かった。昨年、水俣の水銀汚染が国の基準値を下回ったという記事を目にして、広い海に拡散したためだとずっと思っていた。埋め立てただけでは浄化されない。しかし、水銀を食べるバクテリアが増えたために水俣湾が浄化されたことを知り、自然の回復力、包容力に圧倒された。もちろん、とても長い年月が費やされたのだが。資料館の敷地内の芝生には、たくさんのキノコがにょきにょき生えていた。消毒や殺菌をしていないからなのか、風土なのか、ちょっと気になった。

58ヘクタールもの埋立地はまだ地盤沈下が進んでいるため、建物が建てられない。現在は公園と団体用のソフトボール場整備が進んでいる。埋め立てにも、また土地の整備にも、莫大なお金が必要になる。環境を取り戻すためには、想像を超えるコストがきっと次々に発生してくるのだと思う。

河口近くの水俣川で、平日からカヌーを楽しむ姿を見て、水俣がグリーンツーリズムの要素をたくさん持っていると感じた。

3]杉本栄子さんの話を聞いて

パワフルで、体全体からあったかさが伝わってくるような印象を受けた。

「後継者を育てる」ことを自分の務めとしてしっかり自覚し、生活の全てを海の言葉で語る姿にくぎづけになった。その栄子さんを支えるご主人の優しいまなざしも目に焼き付いている。水俣病に冒され、家事すらできない栄子さんを支え、5人の子どもを育て、そして、栄子さんの作業しやすいように作業場を改善してきたという。

 

 

 

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