ツアー初日は、過去の水俣病の記録を正確に後世に伝えるための資料館や、かつての「ミナマタ」を知る「語り部」の一人、杉本栄子さんを訪問することから始まりました。
資料館では、「水俣病とは何だったのか」という疑問に対して考えさせる展示がなされていました。過去の事例としてただ傍観するのではなく、個人として、住んでいる地域で何ができるのかを問い掛けているようでした。
船と船とをしっかりと結びつけておくことを「もやい」といいます。
水俣病がきっかけになり、人と人とを結びつけていた絆(もやい)がゆるんで、外れてしまったことがありました。そして、長い時間が経過して、今再び人との絆を結びはじめる「もやい直し」が始められました。杉本栄子さんは、水俣病とともに生きてきて、人の人との「もやい」の大切さ、人としての本当の「生きる力」とは何かを、水俣病からの自らの再生を通して語ってくれました。
(注:語り部制度とは 直接、患者の方から水俣病についての貴重な体験を話していただき、水俣病の苦しみに負けず、たくましく、生きることの尊さと水俣病に対する正しい認識を深めていただくために語り部制度がはじまりました(平成6年10月)〜水俣病資料館パンフレットより)
最後に立ち寄った水俣市清掃センターでは、住民の手により資源ゴミなどが20区分に分別・収集されていました。最近、少しゴミの総量が増えつつあることを心配されていましたが、環境問題への意識の高さから積極的な活動が展開され、分別収集を通じた地域コミュニティーも活発になることが期待されています。
(注:20区分=活きびん、雑びん(透明びん、水色びん、茶色びん、緑色びん、黒色びん、板ガラス)、空き缶(スチール、アルミ)、ペットボトル、金属類(小さなもの、大きなもの)、紙類(新聞、ダンボール、その他)、布類、埋立ゴミ、有害ゴミ、粗大ゴミ、可燃ゴミ)
○2日目 コース別体験ツアー
晴天の中、各コースの参加者は日ごろの仕事のことも忘れて、のびのびと「遊び」を堪能されました。「まだ遊び足りない、もっともっと」というメッセージを参加者の多くが体で表現されていました。水俣は地域ごとにすばらしい素材があり、環境をキーワードにして積極的に行動できる地域でもあります。
○3日目 水侯里地づくりシンポジウム「新しい旅の形、水俣の可能性」
環境保全型里地づくりセミナー報告書参照
●参加者感想(抜粋)
A:水めぐりコース
今井郁美
何ともあわただしい一日だったことでしょう。
子連れでの参加だったせいもあるのでしょうが思い描いていた“他火”とはずいぶん違っていた。