水俣のように環境に対する生活のルールをつくるのも一つの方法。
伊藤:とにかく見て歩こうという感じでやってきた。シンポに向けて美浜の人たちにあらためて発表しようと思っている。里山保全事業も昨年からオレンジラインを活性化するために行っている。
今回の里地は外部にむかって行うというより、地区の人たちにもう一度よく地元をみてほしいと訴えかけ、各家庭にその資料を配布できればいい。地区の中で、季節ごとに何かできればいいと思う。それが活性化して自分はこれが得意だ、という人が現れてくるかもしれない。「よしやってやるぞ」というリーダーが出てきてくれればいいなと思う。
竹田:里地ネットワークとしても、そのようになってほしいと思う。
美浜が何かやろうと動けば、里地の持つネットワークで外から積極的に応援することも可能。多くの方を巻き込んで分担すれば良い。美浜の活動の波及効果を全国に広げていきたい。そのために、期待に沿えるようできる限りの支援をしていきたい。
吉本:勝手ながら、「美浜はすごい」と言い触らし始めている。皆さんは、本当にすごいことをはじめている。今後も外部の人が美浜にくることになっている。
今日やっていることをそのまま伝えるだけでもすばらしいこと。
斉藤町長:今日は静かにしていたが、いよいよ動き始めたかなと感じた。地元発想的に活動してほしい。そうすれば、周囲へその輪がひろがっていく。
「自然なくして心なし」と常々思っている。
川や池のフェンスをすべてはずせと言っている。落ちたら自分で助かるように学習させることが大切。その意識改革の良いチャンスではないか。ネットワークも広がりはじめ、すごく恵まれていると思う。自然のすばらしい資源が布土にはたくさんある。それにぜひ気づいてもらいながら活動を広げてほしい。
●布土の森フィールド調査からわかった事例(抜粋)
・ 多くの参加者がキノコをはじめとする森の資源についてあまり知らない。
(地元住民も同様、生活と森との関係が薄いほど顕著)
・ 森の使い方をよく知っているのは地元の古老だけ。
・ 照葉樹林の森なのに、予想以上にキノコの種類が多い。
・ 「アカイグチ」など食べられるキノコも多い。
・ ハゼ、アケビやどんぐり、椿の実など役に立つ植物もある。
・ 道具の材料となる蔦や有用な末も多い。