日本財団 図書館


竹田純一 (里地ネットワーク事務局長)

成田国寛 (農業技術フォーラム)

萩原喜之 (中部リサイクル運動市民の会)

上村美貴 ((財)三重県市町村振興協会)

別府祥之 ((財)三重県市町村振興協会)

池田久子 (三重県伊賀地域農業改良普及センター)

 

●布土住民による「地元学」の報告及びディスカッション

 

川平:この(地域資源調査)活動を無欲な気持ちで進めていきたい。何もわからずに進めているうちに役立つものになってきている。9月12日に布土の資源調査のひとつとして、キノコ調査を行った。食べられるキノコが多くあったのが驚き。古老の話では、昔はよく食べたキノコとのこと。

布土の川にはユリや彼岸花などが咲いている。いらないものや不要なものと考えられていたものも商品になる。そのような観点で考えるのも良いかも。

名古屋の店で、布土では雑草と思われる植物がさりげなくドライフラワーとして飾られているのに気づき、雑草のドライフラワー化の構想が浮かんだ。

あるもの探しのデータ整理は発想の転換にとても役に立ちそうであると思う。

 

吉本:あるもの探しで挙げたキーワードは、情報(カード)を引き出すときの索引のようなもの。いろいろそこに書き込むことが可能。引き出せるものを全部書いてしまえばよい。

コンピューターに(調査データを)入力をしておくと、後から検索をする際、とても便利。その前に、手作りで作ってもらうとよい。キーワードは、いろいろある。一枚の中に関連する事をなんでも書いてしまう。それから「あの人は○○に詳しい」という人を見つけることが大切。

例えば、照葉樹林のキノコはよくわかっていないことが多い。そのため、昔の方が知っているキノコを集めて図鑑をつくれば地元の財産になる。

「あるもの探し」カードは時間とともに増えていく。調査には終わりがないと思う。それだけ、地元の知らないことや知らないものが多い。この時、テーマを先に決めてしまうと関係ないと思ったら切り捨てられてしまう。見えないものが見えてこなくなる恐れがある。先入観で決めつけない「あるもの探し」を行うことが重要。カード作成は「何になるの」に対する答えではなく、「何にするの」かが大切。第三者・傍観者になるのではなく当事者になってほしい。

何か行動するときに、このカードや調査の積み重ねの成果が活きてくる。

「水のゆくえ」と「あるもの探し」だけでも、外から来る人に対して地元の説明に厚みがでてくる。

 

伊藤:地元では、(地元にあるものが)当たり前過ぎてどうしても見過ごされてしまいやすい。都会からの視点だと、田舎の目新しさ・新鮮さが逆によくわかる。

目標を持たないと次のステップに進めないと感じてきている。(活動の)目標は何ですかと聞かれると返答に窮する。その辺が、(活動を推進する際に)難しいのかなという現実的な感覚がある。

 

天野:地元(水俣)では、当たり前の「とんぼ」が実はすごい「とんぼ」であった。当たり前の「花」が珍しい「花」であった。これに気づき人に伝えることで、住んでいる地元に対して自信が持てるよ

 

 

 

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