地元学の発端は、地域デザイン研究会の会合で考えたのがきっかけです。でも宮城県仙台市在住の結城登美雄さんは私より先に地元学という言葉で地域を調べていました。
水俣では、今井俊博さん、今井史さんなどの外の人との交流を通して、地元学が形作られていきました。
考えるだけではなく作っていく。役人は現場でつくっているけどあんまり調べもせずに考えもしていない。大学は何かを創っているのかよくわからない時がある。だから組んでやっていけばいい。
地域をつくり、生活をつくっているのは誰かという主体の認識も問題です。地域を作っているのは役所と誤解している人がいます。主体は住民も産業界もあるし、専門家もそうです。
それから、考える手法ですが、私は「つなぐ・重ねる・はぐ」でやっています。
「つなぐ」とは水を川で森と海をつなぐとかだし、「重ねる」とは等高線と水場、お寺や神社などと重ねると、出っ張りに神社、引っ込んでいて水のある所にお寺や古い家が多い。「はいでいく」とは新しいものをイメージではいでいくこと。すると今まで見えなかったことが見えてくるようになります。だから、自分の言葉で地域の個性などを語れるようになります。「つなぐ・重ねる・はぐ」で過去を読み、これからの文脈を読み、変化を読み、今に手を打っていく。その生活づくりの方向はいい地域をつくるためです。宮城仙台の結城さんが教えてくれたいい地域の条件は次の6つです。
1] いい仕事がある。役に立つ仕事がある。
2] いい自然がある。
3] いい習慣がある。
4] 少しの金で笑って暮らせる学びの場がある。
5] 住んでいて気持ちいい。
6] 自分のことを分かってくれる友達が3人以上いる。
これがいい地域ではないでしょうか。
(以上「里地セミナー 地元学と里地おこし」より引用)
●布土地区にて第一回地域資源調査
1. 地域資源調査の方法
モデル地域: 美浜町布土地区(布土川を中心に調査)
調査班: 町職員、布土住民、外部スタッフの混成チーム3〜4チーム
調査内容:
「水のゆくえ」
「あるもの探し」
「杉浦さん宅資源調査」