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また、地元の方の言葉で表現して語っていくことが大切。

 

※1「地元」について

アジアとか中近東などのエリア、九州などのリージョン、熊本県などのローカル、行政区域、あるいは学校区域などのコミュニティといった表現があるが、地元とは、風土や歴史、生活領域を一にするコミュニティを言うこととする。

海山川があり農山漁村に町のある水俣を調べて気づかされたことが、自然(海べり、マチ、野、山、丘など)と社会(農山漁村にマチ、あるいは開拓などの社会別)を組み合わせて、生命基盤である自然環境にどう暮らしているのか、自然と社会のパターン、共生社会別に地域のあり方を探ることが環境の時代の地域づくりには求められていると思う。

水俣では農山村も米づくり地帯と畑作地帯、開拓では違うので6パターンであるが自然と社会のパターン別に地元を把握していきたいと考えている。

更に地形で、島や川の流域、更に盆地などの大きなひと塊で捕らえる場合と、川の支流域に点在する小さな集落で把握する場合に分かれる。

考えてみると、市町村という行政区域は記号であり、どんな地域かを説明できない。共同体の単位ではあるが、川の流域や盆地、島などの自然地形には対応していない。

分かりやすく、地元は生命体だとして考えてみたい。気づくことは、どんな生き物か?地域の個性(地理と歴史)は何か?どんな自然(生命基盤)にどう暮らしているのか?である。と共に、どんな意思を持ってどこへ動いているのかである。どのように、どこへ行こうとしているのか?どのようにありたいのか?何をするのか?という疑問がわいてくる。地元の地元による地元のための自問自答の在りようが問われていると思う。

 

※2「地元学」とは

地元学は、郷土史のようにただ調べるだけのものではない。地元学とは、地元の人が主体になって、地元を客観的に、よその人の視点や助言を得ながら、地元のことを知り、地域の個性を自覚することから始まり、外からのいやおうのない変化を受け止め、または内発的に地域の個性に照らし合わせたり、自問自答しながら考え、地域独自の生活(文化)を日常的に創りあげていく知的創造行為である。

 

(以上※1、2 「わたしの地元学」吉本哲郎著等より引用)

 

※3「地元」に学ぶ「地元学」のこと

「地元のことを外の目を借りながらも自ら調べ、調べるだけでなく考え、そして日々に生活文化を創造していく」

地元のことは調べた人しか詳しくならないし、内と外の関係が問題だということに気づいたんです。

そして、

1] 地域固有の風土と生活文化の厚みがモノをつくり地域を作り生活を作っている。だから自然と暮らしの把握は欠かせない。自然は水のゆくえから、生活文化の厚みはあるもの探しから調べていったらどうか。

2] 違い、異質の出会いはそれを誘発する。だから違うことを認めて共に創り上げていく、共創関係にしていくこと。

3] 「形のあるものには意味がある。だから意味を把握してから形を変えていかないと意味を見失い形も壊れてしまう」

 

 

 

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