四賀村村長中島学氏ヒアリング
クラインガルテンという制度に着目し、四賀村の荒廃農地の再生、都市と農村との交流を狙いとして事業を実行した中島村長からは、村民と、都市民とが、幸せになれるための四賀村の社会理念と、それに対する取組みについてヒアリングを行った。「クラインガルテンは21世紀の地域づくり、まちづくりになくてはならない装置である」という中島村長は、このクラインガルテンは幸せの場を提供する場、と言う。それは、ここに集まってくる人達は自分の人生をどう幸せに生きるか、を考えていて、ハッピーな家庭を見れば土地提供者、いなかの親威、つまり私達自身もハッピーになれる、といっていた。そのために役場の職員は、村民のバックアップをしている。それはクラインガルテン事業に関してだけではなく四賀村恒例のロックコンサートや、その他の催しものにも共通していえることである。「村民の先に立て、されど表に立つな」。こうした姿勢で行政に取り組むことで、四賀村役場は、休みを返上して村の縁の下の力持ちとなっている。また、最近の行政の新しい取組みとしては、四賀村では昨年から結婚推進課を、小子化、過疎化対策の一環として役場に新たに設けた。クラインガルテンに関しては、暗に中島村長が就任以来、一貫して抱き続けて来た「エコビレッジ構想」がある。昨年も京都会議で世界161ヵ国で話し合われた二酸化炭素削減の課題があるように、11年前に、この村でも水をどうするか、自然環境をどうするか、都市部の汚染をどうするかを考えていた。エコビレッジ、つまり村人全員が環境維持の意識を持ち、過ごしやすい景観を持とうとしているものであるが、当初の四賀村はまったくそんなことはなかったので、他とは違うところを作り、それをお手本としてみんなで学んでいこう、ということでクラインガルテンが構想された。
橋本支配人ヒアリング
現場でクラインガルテンの管理、運営を担当している橋本支配人からは、ここに人が来るしかけ、また入って来た時の、人とのつきあい方についてを、第三セクターの立場から話していただいた。
クラインガルテン内の施設を作るのは簡単であるので、後は管理、運営のしかたは、都会の声に答えることである。そうしたことで、経済的、また文化交流的なものを得ることができる。そうした行動を起こすことによって、結果は付いてくるものであり、四賀村では村民自身も村に対する意識が大きく変わった。それでは、実際どういう管理運営していくことが必要かというと、交流に関して言えば、クラインガルテンでは、いなかの親戚制度以外にも沢山のイベントを企画することで交流を図っている。そうすることによって、ガルテナーと、いなかの親戚というこのつながりが、実際の多くの利用者と、地域の人とのの総ぐるみの交流になってくる。また、こういったイベントが増えることで、村内での囲碁や書家、画家の活動が盛んになり、村外に出ていた人が、都会の人と交流をもつことで村内にとどまるという風に、人の流れも変わっていった。
クラインガルテンクラブの取り決めとしてあげられている必須条件は以下のことである。
1]lヶ月に3泊6日以上の利用
2]完全有機無農薬栽培に限る
3]生活必需品は、すべて村から買う
4]ここでのイベント、文化活動に参加しなくてはならない。