3. 「伊那リサイクルシステム研究会」の取り組み
伊那リサイクルシステム研究会は、産業(企業)の発展と自然環境との共生を図るための調査研究を行なうために、平成2年度に「産業廃棄物研究会」として発足されまた。
平成5年に入り、環境問題がクローズアップされてきたことから現在の「伊那リサイクルシステム研究会」に改称し事業展開することになり、伊那地域にある企業16社の人々で構成され、環境問題や廃棄物の処理技術などを研究している会。バルディーズ研究会の循環型社会研究部会に高杉晋吾 部会長)との交流を深めている。平成8年度からは会員が増え、また、研究内容も環境問題と生産革新との共存を研究に加えていくことになり、リサイクルグループ(環境教育・環境ピクニック)、システムグループ(啓蒙資料作成・経営者教育・システムづくり)、天竜川水系生産革新ブループ(循環型社会に結びつく経営改善手法の研究)に分けて活動を展開している。
現在の研究対象は、地域における産業廃棄物の現状と将来の見通し、処理対策についての現状と将来の見通し及び課題の整理を、源流削減部会と適正処理部会を設置して具体的な案件について調査研究を実施し、研究会においてこれをまとめている。
調査研究の成果は、報告書、講習会、啓蒙用冊子その他の方法で地域中小企業への普及に努めている。
伊那リサイクルシステム研究会では、天竜川流域での循環型社会づくりを行うため、以下の環境ピクニックを開催している。
「環境ピクニック」の趣旨
事業所などが個々に実施していたゴミ拾いなどの活動を連携して実施することにより、天竜川の水質向上や循環型社会の実現に向けた地域全体の環境向上活動へと発展させたいとの思いから天竜川水系環境ピクニックを実施してまいりました。
98年は、54事業所(団体)約2100名の方の参加により実施されています。そして、この活動は事業所内の活動に止まらず、従業員の方はもとより、ご家族や地域住民の方をも巻き込んだ活動として、この地域に浸透しつつあります。加えて、この趣旨にご賛同いただける地域外のみなさんとの交流を通じ、この活動がさらに広域化する努力を行っています。
一方、伊那テクノパレー圏域の共通点であることに加え、流域の生活と密接に結びついている天竜川の「水」に目を向けてみると、水質は以前より向上してきているとはいうものの、音のように天竜川で泳げるような状況にはありません。最近では諸設備の整備などにより、河川に流入する排水の水質は向上していますが、流域の人々の日常生活においても河川浄化に役立つことを常に心がけ、ひとつひとつ実践し行動しています。