・ ここ秋田にきて出会った森林国日本の原風景。この感動は一生忘れない。原生的森林(ブナ・天然杉)のすごさとその神秘性にしばし陶酔したが、それをしのぐこの美しい里の感動は、ただ自然があるというだけでなく、広大な自然の生態と見事に対応(共存)して生きる人間の暮らし、人手が入ってこそ、この感動的な景観をつくり出していることを気づかせてくれた。林業を生業としながら人間の暮らし(衣・食・住)にさまざまな形でその恩恵を受けている。その計り知れない豊かさ。私たちも四季を通じてその豊かさを体感したい。
「森で遊び林業を考える学校」【秋の教室】
期間:平成8年11月2日(土)〜4日(月)
参加者:29名
主な内容:
(碇日目)開校式・郷土の森・ゆとりあ・樹音(交流会)
(2日目)七座山・きみまち阪・加護山・水沢・民泊
(3日目)間伐作業・閉校式(ヘルスセンター)
森の学校思い出ノートより一部抜粋:
・ あれからすぐ天気がくずれて寒くなり、益々あの3日間の出来事がいろいろと思い出された。米代川の前の原生林の帰り道、思わず鼻歌が出ておりました。本当にいい風景に出会いました。白神山地が世界の遺産であることが納得させられます。広葉樹と針葉樹の調和がすごく良かった。3日目の体験の時、バッサバッサと下から生える植物を切ったのですが、今になって少し後悔。二ツ井の森は混合樹林が良く似合うと思うから。楽しめる森の存在が時代の流れの中でなくなってしまっている気がします。森で楽しみ森に親しむ人々が増え森を愛する人が二ツ井に増える事を祈りたいです。いろいろな方々との出会い、いろいろな風景との出会い、いろいろとありがとうございました。
・ 3日目は枝の間伐作業でした。私は主にノコギリを使って横切りをしましたが直径2〜3cmぐらいの枝でも何度もノコギリをゴリゴリと動かさなくては切れませんでした。仕事として間伐作業などを毎日のようにやっているおじさんはノコギリを2回ぐらい動かすだけでスパッと切っていたのでさすがにすごいなあと思いました。
・ きみまち阪公園で見た郷土芸能の神楽、若々しい駒踊りとともに獅子舞はその不思議な力強い動きに圧倒された。異国的なものを見たようにも感じられた。こんな踊りが日本にあったんだ!すばらしかった。また、樹齢200年を超える秋田杉の森にもまた圧倒された。すばらしく美しかった。こんな大きな木が日本にもあったんだ!初めての事ばかりでした。
・ 面白かった。すごーく面白かった。森はすごい。七座山は驚きの森です。山登りは今までに何度もしたけれど、あんなに鶴山でありながら豊かな山は…不思議。林業の置かれている不公平な状況を思い知りました。自分に何ができるか。まずは、まわりの人に伝えていく事くらいかな。
・ 最も印象深かったのは、七座山であった。町からわずか1〜2kmのところに、天然林に近い状態の森が残っていることは驚くべきことであると同時に大変うらやましい気がした。ただし、地元の人に後で聞いたら町の人はあまり行かないとのこと。もったいないと思った。まわりを川(米代川)で囲まれているために大変湿潤であり、植生も豊かであるような印象を受けた。もう少し時間をかけて見たかった気がします。林業の武田さんの話の中で、孫の代のことを考えて施業しているとの話が印象的であった。但し、小規模林の所有者は安い木材市場の圧力を受け続けて、これからどうするのか気になる。