「森で遊び林業を考える学校」の四季
設立趣旨のもと、町と賛同者一同により「森で遊び林業を考える学校」を季節ごとに開校してきた。森と人、林業と生活、外材と国産材etc、日本の森と人の関わり方を森の四季を通じて体験的に学びとってきた参加者の声から、本学校の設立の方向性は意識の変遷がうかがえ、短い体験期間であったが、生活をともにし作業では汗を流し、夜には本音で意見を交換した。
「森で遊び林業を考える学校」【夏の教室】
期間:平成8年8月9日(金)〜11日(日)
参加者:42名
主な内容:
(1日目)開校式・郷土の森・田代地区交流会
(2日目)加護山・資料館・くどうはじめ材木店・水沢・民泊
(3日目)間伐作業・閉校式
森の学校思い出ノートよリー部抜粋:
・ 仕事がら秋田杉の名前はよく耳にしますが、本当に秋田杉と呼んでも良いものがこれほどたくさんあるとは驚きでした。二ツ井町は何度も訪ねさせてもらうところになると思います。
・ ブナの森の美しさはやはり期待通りでした。特にブナの幹の美しさは印象的でした。こんな美しい森をみんなで守って、いつまでも気軽に楽しむことができれば良いと思います。杉と落葉広葉樹の混交林を将来つくってもらうことができればもっと林業が身近な存在となると考えます。
・ 原生林らしき大樹のブナを見げると四方に枝を伸ばし森の神のような表情をして私たち人間を見下ろしている。樹肌はなめらかで美しい。耳をあてると水の流れる鼓動を聞いた。やはりこの出村の景観(特に朝)はひときわ美しく、澄みきった空、さわやかな空気を存分に肌で感じ、冷たい水で顔を洗う。このリッチでゆたかな気分を満喫。夕食で食べたジュンサイが採りたくて早朝ジュンサイ池へ。
・ 山の資源の有効利用を!間伐材をあのまま朽ちらせるの?経済性もあるのでしょうが、杉以外のイタヤ・ツル等々木工品としてかつての暮らしに生かしていたように、そして現在にあった物づくりにと多岐に活かして商品化しては?
・ ついに出会えた理想の住まいづくり「モクネット」。自然と人間の共生的観点はこれだ!住まいの原型は伝統的日本の民家にありきだ!モクネットはこの住まいづくりを実現すべくネットワーク組織であることを知り、展望がもてた。
・ チェーンソーを使って木を切ったり、ナタで枝打ちをしたり、めったにできない体験ができました。枝を落とすだけでもなんとも危なげで自分でもカッコ悪いなと思いつつやってました。実際に自分で見て体験してみると不思議と関心がなかったことまで知りたくなってくる。白神山地から始まって、そこに生育している植物の名前、林業について二ツ井町の歴史について・・。この気持ちが薄れないうちに東京に帰ったらもっと勉強してみようと思います。
・ 山に入って初めて、間伐・枝打ちをしました。前に一度、ナタを使ったことはありましたが、なかなかコツをつかめずに苦労しました。今日のことだけに限らず、今回はいろいろな事が経験できました。林業とは何なのか、考えるきっかけができました。感動した事と言えば、満天の星空や少しだったけど蛍も見られたし、そして何よりも人々のあたたかさです。もっともっと木を知り、人を知り勉強したいと新たに思うことができました。