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以上、1]、2]、3]の3つのシナリオを検討することから、暮らしと生業と産業を意識した元気な地域づくりがおこなえるのではないかと思う。

さらに提案したいことは、以下の点を明確化にし、将来にむけての課題把握と課題の設定、そして解決策の検討を行うことで、具体的な一歩を歩み始めることではないかと思う。

 

・ 二ツ井に住む人々が、二ツ井町の21世紀へ向けた生業、木を軸とした産業のあり方、考える場を設定し、検討にもとづく具体的なスケジュールに落とし込み、行動すること

・ 二ツ井に住む人々が、二ツ井での暮らし方、住まいのあり方を考え、木と生活との関係性を暮らしの中に取り入れること、生活者自らが、スギの家の広報をになうこと

・ 今後の森林、木材、住宅、シックハウス等の現状を考えると、国産材、なかでも並み材の活用と天然素材を使った家づくりと体に優しい暮らし方が急速に求められていく。この流れを事業化するための資源を、スギやゼオライトを含め、二ツ井町は充分もっていることを意識すること。

・ 林業学校に関しては、林業体験の充実と由神山地の山歩きが、もっとも評価が高い。「二ツ井ファンづくり」と、「生活づくりから住まいづくりを考える産業」をより多くの参加者に広げるためには、「森で遊び林業を考える学校」をベースとした、より効率的なプログラム開発が求められる。

・ 家を建てようと考えている人、決意した人の専用プログラム(森、木、暮らし、生活、住まい、住まい方のイメージ、基本設計、実施設計、住まいづくり)があると、拡大に対する対応の方法と対応のための受け入れの体制が明確になる。

 

今後の展開にむけて

これまでの経緯を受けて、また、二ツ井町での、町主催の交流事業等の状況をふまえると、「地域づくりのシナリオ」と、「林業振興事業のシナリオ」づくりをどのように行うか、この「きっかけ」を、どのように掴み、実践していくかが大切だと思う。内部からでは、生み出しにくい変革や、提案は、外部との交流や外部意見を活用するという手法も有効であろう。

 

 

 

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