総括
今後の展開についての提言
〜新「森の学校」開校に向けて〜
「森で遊び林業を考える学校」は、二ツ井町と関東圏を結ぶ、「新たな交流の仕組み」づくりと、「交流を通じて町づくりに関する意見を外部から得ること」、そして、「基幹産業である林業の振興策と事業の可能性」「事業構築に向けてのネットワーク形成」に関する可能性の模索を行うために、1986年夏より、年4回、各回実質3泊5日の四季を通じた季節感のあるプログラムを設け実施してきた。延参加者は、二ツ井以外の人々が、120名余、二ツ井町で関わった方々を含めると、200名ほどの参加と非常に深い交流が行われた。
「森で遊び林業を考える学校」及び「森の学校」を開催するなかで、二ツ井町を、頻繁に行き来する二ツ井ファンが増えるとともに、モクネットの軸組工法による住まいの建設を行う参加者もではじめているなど様々なネットワークの広がりを見せている。また、国産スギを活用した新規住宅事業の可能性を模索する団体も、この学校を通じて事業の可能性に関する模索を行っている。個人の動向としては、建築家として、設計士として、人と住まい、本と森との関係を真剣に学ぶ体験を持ち、人生観が変わった方など参加者コメントからうかがえた。
学校の開催により得られた参加者の感想は、森の学校ノートとして、豊富な情報が得られているが、事業パートナー、販売網、個人ユーザーへの対応、(勤労者住宅協会の2000年の新規事業との連動性、各県住宅生協とのネットワーク形成の可能性)などの模索が行えたのではないかと思う。しかしながら、時代の流れは速く、この検証も、即座に今後の方針と事業展開、交流シナリオなどを設けないと、これまでの「森で遊び林業を考える学校」「森の学校」での些細ではあるが人と人とを繋ぎ止めている成果がその価値を失うことになることを危惧する。
新「森の学校」の提案
従来の2泊3日コースから、1泊2日コースへ変更する。
ただし、自由散策の日を前日に、1日設ける。
理由:主催側は、3日間の主催行事となるため時間的な負担が大きい。また、参加する側も、休日が採れるか否かで参加の可否が決まってしまう。期間を短縮し、別途フリープログラムを用意することで、柔軟性のあるプログラムとする一方で、グリーンツーリズムの流れに対応した常時、しかし、自由で負担のかからない散策コースの設定準備を行う。