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戸数113戸人口270人程度。塘路地区は森と湖の塘路、と言われ、映画のロケ地にもなっている標茶町発祥の地である。

平成9年に、小学校の開校100周年記念碑を作ることになり、1A1P運動を行うことにしたが、補助事業の申請には、地域整備計画が必要であるということで、計画書と表が作成された。

塘路地区には、「ノロッコ号」の駅があり、塘路は、釧路湿原、シラルトロコ散策、エコミュージアムセンター、資料館、カヌー基地となっていることから、7万人ほどの観光客の入り込みがあるが、地域経済への貢献策はこれからの課題のようだ。

113戸住人のほとんどは、釧路市を中心とした街で勤務している人が多い。生活自体が釧路市型になっているために、地域の中で生活し生産する他の地区の暮しぶりとは若干異なるところがある。しかし、子供の減少は、集落のまとまりを失う要因になることから、徐々に、地域を考える動きが出始めている。

 

最近の環境整備内容は、観光客のための施設が中心であり、振興会からの地域づくりという内容ではないものが多くみうけられる。これらの計画へ住民の生活が関わり始めると本当の地域の活性化につながるものに思えた。まずは、住民自身が、自らの地域を「再発見」することから始めることになるのではないかと思われる。

・ホテルレストランのピルカトウロの建設、

・JR駅前の整備、時速20kで走る列車のノロッコ号、

・エゾシカ公園の設置、

・環境庁のエコミュージアムセンター、

・標茶町地域の歴史のある資料館

・釧路川カヌーの基地の一つ等

塘路地域整備計画表は、北海道調査資料5]の通りである。

 

久著路地区「複合施設を中心とした地域づくり」

久著路地区の久著路中央小中学校へは、鶴居村と標茶町と2つの行政地区から児童が通学している。昭和63年に現在の農村改善センターが作られたことを契機として地域整備が行われることとなった。農村改善センターの結成までに、4つの地区が併合され現在の久著路地区が再編された。このことに伴い、各神社が中央に集められ、年に一度祭りが行なわれることとなった。

 

5つの学校が統合された為、非常に広い範囲からの児童、生徒が通うこととなったが、住民の交流の要となるのは、子供たちであり、それは、保育所、小学校を中核とした交流となるため、学校というのは、住民自治と活性化にとって要となる。

 

この小中学校が老朽化したために、平成に入り校舎の改築計画が持ち上がったことから、PTAを中心に全国の学校を視察し、保育所も老朽化していたことから、久著路地区の拠点施設として、保育所(厚生省管轄)、小、中学校(文部省管轄)が一緒になり更に農村改善センターに農水省管轄)を一つの敷地に、一連の建物で建設することなり、平成9年度に完成した。これも、住民自治による検討の成果として、できたことであると思われる。

 

行政主導であれば、管轄の異なる省庁の複合施設を建設することの難しさを乗り越えられないのではないかと思われる。

小学校と中学校の間には189平方メートルの多目的スペースがあり、給食を食べたり、パソコンを置いたり、隣の音楽室との壁を外すと小ホールになる。各教室は廊下から教室内を見ることができ、広々とした空間設計となっている。やがては、久著路と外の交流拠点として、また、交流センターとして活用されていくことになるであろう。

 

改善センター、保育所、小中学校一つにつながっている施設は、どのように使おうかと、現在住民の間で協議している最中だが、子供から大人まで、すべてここに集えるというのは、素晴らしいことのように思える。

久著呂「複合施設を中心とした地域づくり」計画表は北海道調査資料6]の通りである。

 

 

 

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