北海道地域環境保全型
里地づくり調査報告書
〜住民主導の環境保全型里地づくりに向けて〜
北海道標茶町における住民計画と自治の足跡
調査概要
環境保全型の地域づくりを進める上で、最も重要なことは、住民が「主役」となって、自らの頭で考え、自らの手で行動することである。毎日の暮らしの中で、地域の環境の恵みを受け、そして地域の環境に負荷をかけているのは、住民である。その住民一人一人が、環境とのつながりを考え、具体的な行動をおこすのでなければ、環境保全型里地づくりなど「絵に描いた餅」になってしまう。
では、住民が主体となって地域づくりを進めるためには、どのような方法があるのか。今回の調査では、その一つとして、住民自身の手で地域整備計画を策定している北海道標茶町の例をモデル的に取り上げて調査を行った。
北海道標茶町では、人口の減少、地域の活力の低下等を背景として、昭和60年前後から、住民自治の向上を基本においた集落再編を推進してきた。昭和60年当時101あった集落は、平成7年までに16の地域振興会に生まれかわった。その上で、標茶町では、住民主体の地域づくりを行うために、コミュニティー形成を目的とした地域整備計画の推進を行っている。「自分の地域は自分でつくる」という思想のもとに、地域整備計画の樹立を図り、住民が誇りをもって地域づくりを行うことを目指している。
今回の調査では、現地でのヒアリング、文献調査等を行って、標茶町の取組の経緯、各地区における取組の現状(虹別地区、栄地区、塘路地区、阿歴内地区等)、その評価についてまとめた。併せて、住民主導型の地域づくりを行っている先進的な市町村の取組を紹介し、今後、さらに行政主導型から住民主導型に転換していくためのポイントを提示することとした。
<北海道地域環境保全型里地づくり研究会委員>
北海道標茶町企画振興室 佐藤克彦
(財)自然公園美化管理財団専務理事 瀬田信哉
農業研究センター農業計画部地域計画研究室長 長谷山俊郎
農と食の環境フォーラム代表 牧下圭貴
農業技術フォーラム 成田国寛
(財)水と緑の惑星保全機構里地ネットワーク事務局長 竹田純一