日本財団 図書館


1. 本事業の主旨

児童館は、子どもたちへの「遊び場」の提供にとどまらず、地域のさまざまな人との交流を通し、豊かな生活体験や社会体験を積むことで子ども自身の自立(律)力を養い、健全育成活動の輪を地域へ拡げ、児童館活動を支援するボランティアの育成に力を注ぎ、子どもを取り巻く環境の複雑化に少しでも対応できたらと考えております。

 

2. 活動の目的

児童館発信の街づくりとして、子どもから大人までが参加し「おもちゃ病院」を開設する。

子どもたちの大切な「おもちゃ」は様々な思い入れがある宝物。

それが使い捨てられる現代だからこそ、“使い捨て”から“治して使う”ことを伝え“心を育む”ことに取り組みたい。

また、この活動を通して児童館が地域の人材を生かし大人は勿論、中、高、大学生や乳幼児を含めた地域ボランティア活動の拠点として利用を広くPRしていきたい。そして、地域が子育てに関わることの必要性を多くの大人たちに理解して頂きたい。

 

3. 活動のしくみ

きりしま児童館 おもちゃ病院

修理部門

・壊れた玩具の修理を通して子どもたちに物を大切にすることや科学への興味関心へと導いていく。

(おもちゃドクター、ナースの育成)

手づくり部門

・母親の温もりを子どもに伝える方法のひとつとして、手づくり玩具を経験しボランティア活動へと導く。

(手づくりおもちゃ、たんぽぽの部屋、参加会員の育成)

リサイクル部門

・壊れていないが、もう使わなくなった玩具等を小さな子どもに譲ったり、譲られたりすることで、物を生かしていくことを知っていく(フリーマーケット形式)

(子ども各自のリサイクル精神育成)

 

4. 活動の方法

表を参考の事

 

5. ボランティア募集 いずれも今後ボランティアをして下さる方

 

活動の成果

今回の活動を振り返ってみるに、人と人を繋ぐ作業の大変さを実感した。それぞれの人生観や価値観が、ボランティア活動のもとで、個性豊かに表出されるため、コーディネーターの持てる力量が、もろくも暴露されるからである。

実は、この価値観の違いこそを、今の子どもたちに伝えたい大切なことであるのにどうも大人の方が、シンポジュウムしづらく面倒になる。従って、関わりを持ち、自分自身の存在が危うくなるのを好まず、意見交換の前に納まりよく“大人しく”しようとする。人や自分を生かすということは、人との違いを受け入れることから始まる。それから、自分の考えを、ゆっくりでもよいから伝えていこうとすることではないだろうか。

家族間の関係においても、それぞれの役割がこのように生かし合えることを願う。

この活動では「玩具」が大きな力となって、言葉少なめの父親たちをサポートしてくれた。機械にかけては、素晴らしいお父さんの瞳の輝きも、目前の子どもたちとの対話には、汗だく。しかし「壊れて困った」という素直な気持ちはお互いの心を一つに自然な会話が流れ出す。修理が終わり、玩具に命が吹き込まれた瞬間、お父さんと子どもの気持ちの間にもさわやかな風が流れだす。「良かったね」「ありがとう」と、見えなかった気持ちが言葉になっていく。

ここでは、「手作り布絵本の製作講座」と「おもちゃ病院」を中心にその成果にふれてみたい。

まず、「絵本製作」については、市内在住のボランティアグループ「たんぽぽの部屋」へ講師をお願いし、 15人乳幼児の新米ママが参加して活動を進めた。

 

 

 

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