だが、これまで手話教室をやっている横で遊んでいただけの子どもたちも当日の手話コーラスには違和感なく参加し、全体で予想をはるかに上回る70人あまりの大コーラスになった。そして、夜の発表には20人ほどが参加し、半年間の成果を確認することができた。普段は無関心を装っていた子どもたちも児童館で手話を勉強しているということについては理解していたようだ。自然にそういう雰囲気を作ることができていたということは、いろいろな不十分さはあろうとも、現時点での大きな成果と言えるのではないだろうか。
児童館でボランティアを育成していったり、地域のボランティアの輪を広げていくということについてはまだその入り口に立ったばかりであり、これはむしろ今後の課題と言える。
今後の課題
今回の事業については、手話教室から誕生した児童館ボランティアではあるが、経過からしてボランティアを育成するというよりも自分たちが勉強したいということから始まっており、児童館ボランティアとして何ができるか、何をしなければならないのかという議論は後回しになってきている。今後の課題としてはこれが一番の課題としてある。
さらに、活動の成果のところで述べたような現状の中で、手話教室自体の継続と発展も課題となっている。せっかく素晴らしい講師に巡り会えているのに、一部の人たちだけの手話教室にしてはあまりにももったいない気がしている。いかにしてもっと多くの参加者を募っていくか、手話教室出発の意義を拡大していくことができるのか、創意と工夫をこらしていきたいと考えている。