キッズ・ファースト in 安曇野
(7月26〜28日)
北アルプス常念岳のふもとの長野県穂高町「泉郷プラザホテル」は、周囲を木々に囲まれ、朝晩は肌寒いほどの標高地でした。参加患児は29人。
FOUR-LEAF CLOVER(染色体起因障害児を持つ親のサークル)を中心に、茨城、東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、富山、長野、そして就航したてのプロペラ機を利用して香川からも2家族が参加しました。患児は就学前年齢が多く、比較的若いお父さん、お母さんが目立ち、このキャンプの初参加者は「熱気球体験」が印象に残ったようです。早朝、付近のゴルフ場の駐車場を借りて、安曇野を眼下に一望するしばしの遊覧飛行。夜は屋外、自然の中で民族音楽の生演奏に浸りました。また昼食は「手打ちそば作り」「ニジマスのつかみ捕り」と地元ボランティアの協力で、ご当地ならではの食事に子どもも大人も大喜びでした。付近に観光地が満載なので、自由時間を多目に取り入れ、名物のわさびアイスクリームに舌鼓を打った家族もたくさんいました。閉会式では、またの再会を約束して記念写真を撮る家族の姿が多く見られました。(志戸恒夫)
キッズ・ファースト in 立山
―レット症候群協会(7月31日〜8月2日)
日本レット症候群協会のサマーキャンプも今年で7回目。今年は富山県の立山のふもとで開催しました。年々参加者が増え、57家族228人、ボランティア57人の大所帯となりました。
全国各地から、渋滞をものともせず集まります。今回の最高は、盛岡からハンドルを握り続けたお母さん。2番目は広島からでした。やっと涼しくなった頃、各自が品物を持ち寄るオークションからプログラムが始まります。開催資金の不足を補うのが目的ですが、せりが始まると、結構熱くなります。
レット症候群はまだ新しい病気で、地方ではなかなか診断がつかないのが現状です。初めて参加する患児も多く、専門医による医療相談はキャンプ開催期間中ずっと開かれています。今年はそれに加えて、レット症児の歯の問題について、歯科医による講演と診察も行われました。その他、卒業後の生活についてのディスカッションなど、研修は盛り沢山です。もちろん、兄弟姉妹たちのためのアトラクションや、お楽しみの夜の親睦会も遅くまで盛り上がりました。(冨井直樹)
お父さんも動きます レット症候群協会 石丸幸雄
来年のサマーキャンプの実行委員を仰せつかり、全国のレットの家族の皆様が大切な機会と位置づけておられるこのイベントのことを考えると、すこしプレッシャーを感じます。今年のキャンプを振り返ってみますと、
1. 父親が主導する活動としたい。懇親会で「名司会者」我妻さんがおっしゃっていましたが、レットの親の会の最大の特徴は、父親が動き回るということ。可愛い娘のために、この精神を大切にしたいと思います。
2. 難病は知ってもらわねば。今回、初参加の方の話で印象深かったのは、テレビ番組でレットを知ったということ。じゃあ、その番組がなかったら?こんなところに、東京一極集中の弊害が現れています。また、健常者の方々にも、「こんな障害の子どもたちでも、精一杯に生きているんだよ」と知ってもらいたい、そう願ってやみません。
3. 社会人のボランティア参加は難しいか?ボランティアの方の献身ぶりには本当に頭が下がります。ほとんどが学生さんですが、社会人の方々にももっと参加して欲しいです。学生さんのバイタリティーと、社会人の経験が融合すれば、私たちにとっても心強い介助になると思いますし、レットを社会的に知ってもらう一助にもなると思います。
このようなことを、頭に思い浮かべつつ、年に一度の「レット仲間のおしゃべり会」というノリでいいのかな、というのが本音だったりします。とにかく、来年もまた、たくさんの「レット姫」たちに会えることを楽しみにしています。