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キッズ・ファ-スト in 山中湖

(8月8日〜10日)

山中湖畔の「ホテル清渓」は今回で3回目の利用。「勝手知ったる」場所なので、施設・役場などの現地の協力も得て、スムーズにのびのびと2泊3日を過ごせました。35人の患児にはそれぞれ担当ボランティアがつき、食事、入浴、レクリエーションを共にし、家族との交流も深めました。

ハイライトの「熱気球体験」では、早朝の澄んだ空気の中、湖を見下ろす空中散歩を皆が楽しめました。また、キャンプファイヤーも、手作りの寸劇に始まり、YMCAボランティアの協力を得て、熱く大いに盛り上がりました。健常の兄弟姉妹たち18人は「キッズ団」として、「きもだめし」や「ペンダント作り」などを心おきなく楽しみ、大いに“ギャングぶり”を発揮していました。お父さんたちは、200人分の昼食作りを担当。初顔合わせにもかかわらず、素晴らしいチームワークぶりを発揮。心地よい汗をかいてもらいました。

閉会式は、子供の名前を取り込んだ歌とともに記念品を授与、子どもたち一人ひとりが皆の拍手にこたえ、フィナーレを飾るのにふさわしく印象深いものとなりました。(志戸恒夫)

 

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キッズ・ファ-スト in 聖山高原

―つくしの会(8月22日〜24日)

長野県聖山高原でキャンプが開催され、参加者は88人で、患児の参加は22人、22家族でした。男女各5人のボランティアの参加があり、男・女児ともに楽しく遊べたようです。

ボランティアの方と事前に打ち合わせを持てましたので、病気の特徴を理解していただき、当日も活発に動いてくださり、「女性ボランティアは明るくて気のきく方々」と感謝の声がありました。

ここでは同じ病気の人が大勢いると感じますが、地域に帰れば我が子だけが病気。交流会で勉強し、先輩からアドバイスを受け、明日からもがんばろうという気持ちがわきます。地域に友人関係も大切だけど、同じ病気の子ども同士が遊んでいる姿はほほえましく、患児の兄弟姉妹という立場の子ども同士の交流もキャンプならではの光景です。

最後に中学生の感想を一言。「ボランティアのお姉さんたちがきれいで、会話が弾んで楽しかったです。外見が恐そうなお兄さんが優しく面倒を見てくれて、人間は見た目で判断してはいけない、と実感しました」。(叶谷恵美子)

 

キャンプの思い出 つくしの会 水谷嗣

 

第一回のサマーキャンプは平成4年(1992)、他の難病の団体と静岡県富士宮市で行われました。地元出身の実行委員長の医師が「医学の道を志したのは父の医療に対する姿勢からで、父は貧しい人からは診察料も治療費ももらわなかった。戦後のある日、婦人がこどもを抱えて診察室から出てきて、何ども頭を下げて帰っていった。父にどんなクスリをあげたのかと聞いたら、あの子は栄養失調だから、栄養のある物を食べるのが一番のクスリ、だからクスリ袋の中にはお金を入れたとのこと。父の姿勢は、患者の立場になって励まし、力づけ、ふれあいを大切にしていた。その父を見て自分も医者になろうときめた」と話してくれました。どんなに医学が進もうと、患者が医師に求めているのは医療技術とともに、医師と患者の信頼感、人間同士のふれあいです。それが少なくなってきている今日、父上の意志を継いでいる先生とともに第一回のサマーキャンプを成功に終わらせることができたから、ずっと無事故で続けてこられたと思います。これからも参加者全員の協力で、毎年キャンプを実施できれば、と思います。

 

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おおきなシャボン玉を作る「つくしの子どもたち」

 

 

 

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