●68ページ「7.基本27種」に関連して
・「全国統一ではなく、自分の地域、自分のフィールドの鳥さえ知っていればそれでよいのではないか」との意見が出されました。例としてアカハラは身近な鳥とは言えない地域があるとのこと。
・ドバトは鳥学会の最近の目録の方針に準じて「カワラバト」と呼ぶべきかという質問がありましたが、この研修会の範囲では通称の「ドバト」でかまわないと思っています。
《第5章》地域の鳥や自然、自然保護
ここは研修会ごとに講師の話しに差があったところです。下記に日本の地域ごとの野鳥の分布について、簡単な補足をします。
●地域的な特徴の例
1]北海道の特徴
・クマゲラ、ヤマゲラなど大陸系の種が分布する(日本ではヤマゲラは北海道のみの分布なので北方系と思われやすいが、大陸や台湾にも分布している)。
・エゾセンニュウ、ノゴマなど日本では主に北海道だけで繁殖するものがいる。
・カイツブリ、キジバト、ムクドリ、モズ、ウグイス、ホオジロなど本州以南では1年中見られる種が、主に夏鳥。
・アオジ、アカハラなど本州以南では山地で繁殖するものが低地でも繁殖するなどの垂直分布の違いがある。
・カケス、エナガなど本州以南と異なる亜種が分布する。
2]南西諸島の特徴
・ノグチゲラ、ルリカケスなど島ごとに日本固有種が分布する。
・キジバト、ヒヨドリなど九州以北と異なる亜種が分布する。
・八重山列島はカンムリワシ、ムラサキサギなど東洋区に分布する北限になっている。
・ムクドリ、ハシボソガラス、トビなど九州以北の分布の鳥は見られない(一部、冬鳥として飛来)。
・サシバが冬鳥、シギで越冬するものがいるなど、九州以北と生活史が異なるものがいる。
3]東日本、西日本の違い
・東日本に多く西日本に少ない例としてオオハタチョウ、オオセグロカモメ、キレンジャク。逆の例としてコハクチョウ、セグロカモメ、ヒレンジャク。
4]日本で記録されている世界的希少種の例:クロツラへラサギ、ヘラシギ、ズグロカモメ
5]越冬分布が日本近辺に限られている種の例:オオワシ、ヒレンジャク