3] 野鳥の声が聞き取れない
「案内人」が示した野鳥の声を聞き取れない、聞き分けられないことも多いものです。1]2]の場合も同様ですが、観察対象の選択が必要です。じっくり見聞きできるものを示すようにしたいものです。
4] 双眼鏡や望遠鏡を使えない
視野に入れられない、入ってもピントあわせができない、など使い方の説明や慣れが必要なことなどを事前に説明することが必要です。
5] 価値観や感覚が違う
どんな種類でも、じっくり見られると喜んでもらえます。ベテランとは、新鮮、感動、有意義の基準が違います。
以下に『野鳥かみしばい利用の手引き』7ページより「遠くのオカヨシガモより近くのコガモ」という事例を紹介します。
初心者の多い探鳥会で、ベテランの案内人が遠くにいるオカヨシガモを見せたが、あまり関心を持たれなかった。一方、参加者は近くにいたコガモを見て喜んでいた…。案内人は、珍しい鳥として、オカヨシガモを見せようとしたのですが、初心者は珍しい鳥でなくても、近くでじっくり見られた方がうれしいという話です。
4. 第1ステップの留意点
案内の第1ステップでは、楽しいバードウォッチング体験のお手伝いをするのが基本です。知識を伝えることが目的ではないという点に注意しましょう。一緒に感動する、一緒に調べる、考えるでもいいし、魅力や楽しみ方を伝えるのもいいでしょう。また、初心者には道具の使い方を説明することも大切です。特に双眼鏡を使う場合は使い方をあらかじめ説明し、訓練してもらうことは大切です。(『あなたもバードウォッチング案内人』の「双眼鏡の使い方」142ページ参照)