4. 野鳥の暮らし
野鳥の暮らしに目を向けることは、「関連性」と結びつくと第2章で述べました。「何をしているのか」「なぜか」という視点でのバードウォッチングは、いつ、どんな鳥でも、また、仮に名前がわからなくても興味深いし、ベテランや初心者に関わらず共通の話題になりえます。さらに想像力を膨らませれば、その場での案内の話題以外にも、「鳥の衣食住を考える」「鳥の1日を考える」「鳥の1年を考える」など幅広い展開を可能にします。
野鳥の暮らしについての基本的な理解としては、近縁の種にはある程度共通した暮らし方がありますが、細かい点では種ごとに違うということです。生物の種によって姿かたちが決まっているのは、その暮らし方がおおむね決まっていることに関連しています。これが第2章でふれた「すみわけ」「食いわけ」や多様性の意味に結びついています。暮らしの知識があれば名前がわかって、種がわかることは、出会った鳥の暮らしが推測できることになるわけで、バードウォッチングの楽しみの幅を広げることにもなるでしょう。
「バードウォッチング案内人」としては、『新・山野の鳥』56、57ページに観察ポイントとして紹介したような場面や行動が説明できればよいと思いますが、『世界文化生物大図鑑3鳥類』も参考にして、以下に野鳥の暮らしの項目をあげてみましょう。
なお、以下の年と月の数字は、参考になる会誌『野鳥』の特集号を、『山』は『新・山野の鳥』、『水』は『新・水辺の鳥』のページ数、『案内人』は『あなたもバードウォッチング案内人』のページと項目を示しています。
また、会誌『野鳥』には他にも参考になる連載や記事がありますが、例えば連載「バードウォッチングワンポイントアドバイス」(1988年11月〜1989年10月号)は季節ごとの野鳥の暮らしを観察ポイントとして紹介したものです。