3. 鳥類の分類
分類は、第2章で述べた「多様性」の中で、種の多様性を具体的に示すと同時に、さまざまな種をバラバラではなく、系統だてて見る視点にもなります。それは、「関連性」の「姿かたち、暮らし方のワケ」にも通じます。また、親しむステップでは、分類上の目や科に共通した特徴を知っていれば、種を気にしなくても楽しめる場合があります(例えば、何という種のカモメかわからなくても、カモメ科共通の特徴から「カモメの仲間」としてもかまいません)。
『新・山野の鳥』12ページでは、分類について簡単に「生物のなかまわけ」と書いていますが、注意すべき点はその後に記した「分類には諸説あって、わかっていない点も多い」ということです。特に、近年は遺伝子レベルの解析によって新説が次々に提示されており、例えば、タカ目に分類されていたコンドルはコウノトリやペリカンに近いなどの見方もあります。『新・山野の鳥』63ページでは、日本島学会の最近の分類によって、日本産鳥類の18目75科を表にしてあります。種類としては538種になりますが、外来種としてリストアップされるものの他、検討中の種もあります。なお、本書ではバードウォッチング初心者には、かえって混乱すると考えて属や亜種の分類は説明していません。
『世界文化生物大図鑑3鳥類』によれば、世界では27目160科になりますが、半数以上の科と種がスズメ目に含まれます。
(参考になる会誌として、『野鳥』(1995年12月号)「今の野鳥図鑑の分類法は」「DNAによる分類」)