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船社へのヒアリング調査によれば、船型100〜400TEUの韓国航路で最低20〜30TEU/回、船型400〜700TEUの中国航路で50〜100TEU/回、船型1,300TEUの台湾・東南アジア航路で150TEU/回が寄港の目安とされている。

長崎県で生産・消費される相手地域別貨物量をみると、輸出では北米、欧州、シンガポールなどの構成比が高いが、北米の月間約5,400トンは週あたり約75TEUであり、現状の貨物量では、2,000TEUないしそれ以上の大型船が投入される北米航路の寄港はむずかしい。同様にシンガポールは約18TEU/週、香港は8TEU/週となり、これらの輸出貨物量では航路開設は困難である。

一方、輸入については、北米、中国の構成比が高く、中国は約40TEU/週弱の貨物量があることから、他の地域と比較して相対的に航路の成立可能性は高い。ただし、中国は南北に長いことから、例えば上海付近の中国中部に限れば、貨物量はこれより少なくなる。韓国についても、11TEU/週程度にとどまり、航路開設に十分な貨物量ではない。

こうしたことから、1993年以降の貨物量の増加を考慮しても、当該地域との輸出入貨物量のみで航路開設が可能なのは、中国のみと考えられる。

そこで、近接する韓国・釜山港へ航路を対象として、トランシップを活用した世界各地と結ぶ輸送体系を構築し、対韓国以外の輸出入貨物も対象とすることにより、航路を開設する可能性は十分にあると考えられる。ただし、この場合にも、韓国自体との輸出入量はあまり多くなく、対韓国以外の貨物についてはトランシップによる所要日数・コスト面での制約があることから、単独航路ではなく、他の港湾と組み合わせた航路(例えば、釜山一長崎一熊本など)の寄港が想定される。

 

表6-1-3 長崎県で生産・消費される相手地域別コンテナ貨物量

(1993年間11月1ヶ月値)

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資料)「平成6年度外貿コンテナ貨物流動調査」運輸省港湾局、大蔵省関税局より三和総合研究所作成

 

 

 

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