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2]海上輸送面での優位性

 

長崎港および博多港、北九州港、神戸港から韓国、中国、台湾の主要港への航路距離をみると、長崎港は、上海をはじめ大連、青島など中国の主要港との航路距離が博多港、北九州港と比較して短く、対中国輸送において地理的優位性を有している。

ただし、神戸港と長崎港の航路距離の差は300〜500kmで航海日数を1日削減できるメリットがあるが、博多港や北九州港との差は100〜200km程度であり、航路スケジュールの設定にあたっては、決定的な優位性とはならない。

 

表6-1-1 各港湾間の航路距離

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資料)「DISTANCE TABLES FOR WORLD SHIPPING」(社)日本海運集会所ほかより三和総合研究所作成

 

3]貨物の発生・集中面での特性

 

船社が航路開設に踏み切るためには、航路・船型に応じた採算性確保に必要な貨物量が見込まれることが必要であり、かつそのうちの相当数を満たすベースカーゴが存在することが望ましい。

長崎港の対象貨物としては、博多港などとの所要時間比較により、概ね長崎県内で生産・消費される貨物が想定されるが、その貨物量は表6-1-2に示すように、九州の他県と比較しても多いとは言えない(ただし、データの制約上、1993年11月の実績)。

 

表6-1-2 九州各県で生産・消費されるコンテナ貨物量(1993年11月1ヶ月値)

140-2.gif

単位)トン、( )内はTEU(1TEU=18トンとして換算)

資料)「平成5年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査」運輸省港湾局より三和総合研究所作成

 

 

 

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